MSIが台湾国内で実施しているプロモーションが注目を集めている。内容は、GeForce RTX 5080 Vanguardグラフィックスカードを無料で入手できるというものだが、その条件は極めてユニークかつ難易度が高い。MSIが販売するBlackwell世代の限定版GPU「ローンチエディション」にのみ同封されるドラゴンフィギュアを9種類、さらにシークレット1体を加えた全10体を揃える必要がある。
各GPUは世界で1,000台のみの生産で、対象商品にはRTX 5070からRTX 5090までが含まれる。報道によれば、実際に5名が条件を達成し、カードを入手済みだという。この企画は2025年5月31日まで実施される予定であるが、購入コストや交換の難しさから、一般消費者にとっては現実的とは言い難い。
台湾限定キャンペーンの仕組みとドラゴンフィギュアの収集難易度

MSIが台湾で展開しているプロモーションでは、RTX 5080 Vanguardを入手するために、全10体のドラゴンフィギュアを揃える必要がある。これらのフィギュアは、Blackwell世代GPUのローンチエディション版にのみ封入されており、各GPUは1,000個限定で流通している。対象となるのは、RTX 5070、5070 Ti、5080、5090の4モデルで、いずれも特別パッケージ仕様となっている。さらに、10体目のフィギュアは“シークレットエディション”とされ、存在自体が謎に包まれている部分もある。
現実的にこの条件を満たすには、複数のローンチエディションGPUを購入するか、他の購入者との交換、あるいはフィギュア単体の高額な転売を利用するしかない。実際、掲示板HKEPCでは1体あたりNT$4,000(約19,000円)で取引されている例も報告されており、全種類揃えるコストは相当な額に膨らむ。MSIはこのイベントをTaiwan Original Price Houseと共同で開催しており、5台のRTX 5080が既に引き換えられたことが確認されている。キャンペーン期間は2025年5月31日までとされているが、残りの在庫数や入手ルートを考慮すると、すべての条件を満たすにはかなりの時間と労力を要する。
この仕組みは一見シンプルに見えるが、実際には収集要素に巧妙な障壁が設けられており、簡単には報酬に到達できない構造となっている。
プロモーションの意図と限定GPUの希少価値がもたらす副次効果
今回のMSIによるプロモーションは、単なるマーケティング施策の枠を超え、製品の希少価値とコレクション性を強調する仕掛けとして機能している。特に、全10種類のフィギュア収集という条件を設定することで、参加者には“狙って入手することの難しさ”が強く意識される設計となっている。加えて、フィギュアの1体がシークレット仕様であることにより、収集にゲーム的な要素と偶然性を持ち込んでいるのも特徴的だ。
RTX 5000シリーズのローンチエディションは、1モデルにつき世界で1,000台という生産数の少なさにより、単体でも非常に高い希少性を持っている。限定仕様のGPUというだけでも魅力は十分だが、そこにコレクターズパッケージとしての付加価値が加わることで、実用性と収集欲を同時に刺激している点が注目に値する。実際、パーツ単体ではなく「付属品」目当てで購入する層が出てくることも否定できない。
このプロモーションによって、MSIは台湾国内においてブランドの話題性と製品への注目を高めており、あくまで地域限定ながらも強いインパクトを残している。ただし、非常に限られたユーザーにしか恩恵がない構造である以上、このキャンペーンが広く一般の関心を引くには限界もある。とはいえ、企画としての完成度やアイデアの面白さは確かに際立っている。
Source:TweakTown