Windows 11の最新開発者向けビルドで、新たに発見されたFAQセクションが注目を集めている。ビルド26120.3576および22635.5090に実装され、コマンドライン経由でのみ表示可能なこの機能では、PCのハードウェア性能に関するアドバイスが明示されている。
具体的には、GPUに関しては4GB以上のメモリを持つ専用グラフィックスカードの使用が推奨され、RAMに関しては4〜8GBでは基本的な作業にしか対応できないと記述されている。これにより、多くのPC利用者が感じていた「動作の遅さ」の理由が明文化された格好だ。
Windows 11の非公開FAQが示す性能評価の新基準

最新のWindows 11開発者向けビルドで発見されたFAQセクションは、「設定 > システム > バージョン情報」に追加される形で一部ユーザーによって確認された。ビルド番号26120.3576および22635.5090に含まれ、vivetoolを用いたコマンド入力により現れるこのセクションでは、PCの性能について具体的な指針が提示されている。
例えば、「GPUは高性能なゲームや動画体験に適しているか」という問いに対し、「4GB以上の専用グラフィックカードの使用が望ましい」といった実用的なアドバイスが記載されていた。また、RAMについても4〜8GBでは基本作業に支障はないが、それ以上の用途には限界があるとの見解が明示されている。仮想マシンで撮影されたスクリーンショットでは、実際に6GBのRAM環境でこの助言が表示されていた。
このFAQが現段階で一般公開されていないのは、あくまで試験的な段階であることを示唆するが、かつての「Windows エクスペリエンス インデックス」のようなシステム性能の可視化が再び注目されつつある点は見逃せない。
「買い替え推奨」ではなく現状評価に軸足を置いた設計意図
今回のFAQ機能が示しているのは、新しいPCへの買い替えを直接促す内容ではなく、今使っている環境で何が足りないのかを具体的に示すアプローチである点にある。過去のWindowsに見られた「パフォーマンススコア」的な視点よりも、日常利用における実用性に重点が置かれているように見える。
たとえば、GPUの条件に関して「4GB以上の専用グラフィックスカード」と明言されたことから、統合GPUでは限界がある用途を的確に示している。また、RAMに関する言及も、単に「メモリが足りない」という漠然とした表現ではなく、「基本作業に対しては問題ないが、より負荷の高い用途には不十分」として、使い方による差を明確にしている点は実用的だ。
こうした評価軸の提示は、ハードウェアアップグレードに対する判断材料として機能する可能性がある一方で、ユーザーによっては逆に「まだこのPCでいける」と判断する材料にもなり得る。マイクロソフトがこの機能を恒常的に導入するかどうかは不透明だが、少なくとも方向性としては情報の透明性とユーザー理解を高める意図が見て取れる。
Source:PCWorld