MSIが放つ最新ハンドヘルドPC「Claw 8 AI+」が、ゲーミング性能でROG AllyやLegion Goを上回る実力を見せつけている。8インチVRR対応IPSタッチスクリーンや、応答性に優れたHall Effectジョイスティック、Thunderbolt 4ポート×2など、ハード面の充実ぶりが際立つ一方で、カスタマイズ性やエルゴノミクスには改善の余地も残る。Windows Centralは「Windowsハンドヘルドの中で最高のパワー」と評価し、そのパフォーマンスは注目に値する。
背面の通気口の不快感や、最大2時間というバッテリー駆動時間には課題が残るが、動作のキレとグラフィック品質は既存機を圧倒する勢い。次世代モバイルゲーミングの新たな選択肢として、一考の価値がある。
ROG AllyやLegion Goを超えるフレームレート性能の実力

MSI Claw 8 AI+は、Windows Centralが「現行Windowsハンドヘルドで最強」と評価するほど、ゲーミング性能において突出している。特に注目すべきは、同じカテゴリに属するROG AllyやLegion Goを上回るフレームレート性能で、動きの速いタイトルでも安定した描画を実現する点である。8インチのIPSタッチスクリーンは色彩とコントラストが豊かで、可変リフレッシュレート(VRR)にも対応し、視覚面での没入感も抜群だ。加えて、Hall Effect方式を採用したジョイスティックは精度と耐久性に優れており、入力遅延を最小限に抑える。
Thunderbolt 4ポートが2基搭載されている点も、周辺機器との接続や充電の自由度を大きく高めている。これらの要素が組み合わさり、Claw 8 AI+は単なる携帯型PCの域を超え、据え置き型ゲーミングPCにも匹敵する操作体験を提供しているといえる。ただし、ハードウェアとしての完成度が高くても、快適なプレイ環境を実現するには最適化や設定調整が不可欠であるため、個々のゲームとの相性やソフト側の対応も視野に入れる必要がある。
カスタマイズ性とエルゴノミクスに残る課題
Claw 8 AI+の唯一の弱点とも言えるのが、ソフトウェア面と筐体設計におけるいくつかの使い勝手の問題である。まず、他社製のハンドヘルドデバイスと比較すると、MSI Center Mの機能は限定的で、たとえばVRAMの割り当てなど、細かなパフォーマンスチューニングの項目が見当たらない。これは、カスタマイズを重視するプレイヤーにとっては物足りなさを感じる要因になり得る。さらに、本体背面の通気口が手のひらに触れる設計となっており、長時間の使用時に不快感を与える可能性がある。
デザインそのものはバランスが良く、エルゴノミックな要素を取り入れているものの、この背面の質感が全体の快適性を損なっている点は否定できない。また、高負荷時のバッテリー持続時間が約2時間と短いため、モバイル用途での自由度にも制限が出てくる。ただし、これは高性能パーツを搭載している代償ともいえる部分であり、性能と可搬性のバランスをどう取るかは使用者のスタイル次第となる。
強みを活かすために求められる運用スタイルの見直し
Claw 8 AI+は、パフォーマンス面で群を抜いた存在であることは間違いないが、その性能を最大限に引き出すには、ユーザー側にも工夫が求められる。たとえば、バッテリー消費が激しい高負荷タイトルを長時間プレイする場合には、モバイルバッテリーやAC電源の活用が事実上前提となる。Thunderbolt 4ポートを使ったドック接続で、自宅では据え置き的な運用を行い、外出先では短時間プレイにとどめるといった、柔軟な使い分けが現実的だ。
また、MSI Center Mのカスタマイズ機能が限定されている以上、Windows側での設定調整や、他社製ユーティリティの導入も視野に入れる必要がある。これにより、VRAM不足や熱問題に対応しやすくなり、安定したパフォーマンスを維持できる可能性が高まる。つまり、Claw 8 AI+はハードウェアの完成度こそ高いが、活かし方を工夫しなければ真価を発揮しきれない側面も併せ持っている。これは玄人好みの設計とも言えるが、求められるのは製品の進化だけでなく、それを使いこなすスタイルのアップデートでもある。
Source:Windows Central