Appleが開発を進めているとされる折りたたみ式iPhoneに関して、信頼筋のリーク情報により、その仕様の一端が明らかとなった。最大の特徴は、7.8インチの大型メインディスプレイと5.5インチのカバーディスプレイを備えた「ブック型」の構造にある。
また、Appleは極薄設計とバッテリー寿命の両立を重視しており、ディスプレイドライバICの改良により、発熱の抑制と電力効率の向上を図っているという。名称は「iPhone Flip」と噂されるが、縦型クラムシェルではない可能性が高く、その名称には疑問も残る。
Galaxy Z Fold 6などを展開するSamsungに対抗し、性能と設計の両面から主導権を握る狙いが透けて見える。
薄型化とバッテリー性能を両立するAppleの設計思想

Naverの信頼筋によると、Appleは折りたたみ式iPhoneの設計において、従来の端末よりも大幅に薄型でありながら、バッテリー寿命を犠牲にしない構造を目指しているとされる。特に注目されるのが、ディスプレイドライバIC(DDI)の改良であり、これにより信号処理の効率を高めつつ、省電力化を図るという。
さらに、薄型パネルによる発熱抑制にも取り組んでおり、結果として高負荷のゲームプレイ時でも快適な操作感を実現することが可能になるという観測がある。この技術的アプローチは、バッテリー消費が課題とされてきた折りたたみ端末市場において、Appleが従来機の弱点を克服する意思を示すものといえる。
単なる薄型化ではなく、熱設計とバッテリー持続性の最適化が並行して進められている点は、ハードウェア設計におけるAppleの一貫した哲学の表れでもある。製品の厚みや重さが依然として重要視される中、同社は競合のSamsung Galaxy Z Foldシリーズに対して明確な差別化を図ろうとしている可能性がある。
クラムシェル型を回避したブック型構造とその戦略的意図
著名アナリストのミンチー・クオ氏によれば、Appleの折りたたみ式iPhoneは縦型のクラムシェル型ではなく、Galaxy Z Fold 6と同様のブック型デザインになる見込みである。これにより、「iPhone Flip」とされる仮称との整合性には疑問符が付くが、名称よりも形状が示す設計思想が重要であることは言うまでもない。
展開時に7.8インチのメインディスプレイ、折りたたみ時に5.5インチのサブ画面を備えるこの構造は、単なる携帯性だけでなく、生産性やマルチタスクを意識した使用シーンに重きを置いていることを示唆している。
こうした仕様は、折りたたみスマートフォンが単なるガジェットではなく、ノートPC代替を狙う存在であるというAppleの方向性をうかがわせる。クラムシェル型がエンタメやコンパクト性を優先するのに対し、ブック型はより多機能かつ高性能なプロダクト志向を前提とする。
すでに成熟しつつあるスマホ市場において、新たな競争軸を設けるには、この構造的アプローチが不可欠であり、Appleはその点において着実に布石を打ち始めているように見える。
薄型化がもたらす市場優位性と名称への疑念
現在出回っている情報からは、Appleが他社製品との差別化を図るため、従来の折りたたみ端末よりも極めて薄型かつ高効率な設計に注力していることがうかがえる。仮にこれが実現すれば、重量・厚み・発熱・バッテリーといった多くの課題を同時に克服する端末として、既存の折りたたみスマホ市場に一石を投じる存在となる可能性がある。
ただし、現在流通している「iPhone Flip」という呼称については疑念も残る。Flipという名称は、Galaxy Z Flipのような縦型クラムシェル型を想起させるため、今回のブック型構造とは整合しない可能性がある。製品名が誤った印象を与えれば、ユーザーへの訴求力にも影響を及ぼす可能性は否めない。
Appleは名称戦略にも細心の注意を払ってきた過去があるため、実際の発表時には全く異なるブランド名を掲げる可能性もある。市場投入が近づくにつれ、この点への注目も高まっていくことは間違いない。
Source:Tom’s Guide