Nvidiaの次世代GPU「GeForce RTX 5060 Ti」が、非公式情報によれば2025年4月16日午後9時に発売される見込みとなった。BlackwellアーキテクチャとGDDR7メモリを採用し、従来モデルから大幅な帯域幅向上が見込まれている。CUDAコア数は4,608、TGPは180Wとされ、8GBおよび16GBの2モデルが用意される可能性がある。

ただし、上位モデルのRTX 5070が存在感を強める中で、5060 Tiの市場競争力は価格設定に大きく依存すると見られている。仮に499ドルで登場した場合、性能差を補う魅力を打ち出せるかは不透明である。現時点での仕様はすべて非公式であり、正式発表を待つ必要があるが、新世代GPUの動向は注目に値する。

GDDR7採用とBlackwellアーキテクチャがもたらす性能の進化

GeForce RTX 5060 Tiは、前世代のRTX 4060 Tiと比べて、メモリ帯域幅が55%増加する448 GB/sのGDDR7メモリサブシステムを搭載する見通しである。加えて、Blackwellマイクロアーキテクチャが初めてメインストリーム市場に導入されることで、処理効率と描画性能の両面で明確な進化が期待されている。

CUDAコア数は4,608に増強され、GPUクロックの向上とソフトウェア面での最適化も図られるとされる。このスペックは、より高解像度での快適なゲームプレイやレンダリング処理を支える土台となる。一方で、電力設計も刷新されており、TGPは180Wと前モデルよりも増加している。

8ピンのPCIe補助電源で150W、スロットから30W、または16ピンの新型コネクタから180Wを供給する構成が検討されているようだ。メモリの大容量化と帯域拡大は、AIやクリエイティブ用途でもRTX 5060 Tiの汎用性を高める要因となりうる。とはいえ、この仕様はまだ非公式情報に基づいているため、正式発表時にどこまで実装されるかは不透明である。

RTX 5070との価格差が鍵を握る市場での立ち位置

GeForce RTX 5060 Tiは、上位モデルとなるGeForce RTX 5070と比較してCUDAコア数が1,500以上少なく、演算性能では明確に下回ることが確実視されている。RTX 5070はGB205 GPUをベースとし、6,144基のCUDAコアとTGP250Wの構成を持つことで、より高いパフォーマンスを提供する。両モデルの差異はスペックのみにとどまらず、冷却設計や電源要件にも及ぶとされる。

この状況下で、RTX 5060 Tiが市場で注目を集めるためには、価格設定が極めて重要なファクターとなる。RTX 5070の希望小売価格が549ドルであることを踏まえると、5060 Tiが仮に499ドルで登場した場合、そのコストパフォーマンスが消費者にどう評価されるかが焦点となる。特に、近年価格上昇が続くグラフィックカード市場においては、数十ドルの差が購買決定に直結する場面も多い。

性能面での劣勢を補う形で、より効率的な設計や省電力性、もしくはバンドルソフトウェアなど付加価値の提示が求められることになるだろう。価格と性能のバランスに敏感な市場では、スペックシート以上の価値訴求が成否を分ける要因となる。

Source:Tom’s Hardware