AsusがRDNA 4アーキテクチャを採用したRadeon RX 9060 XTを正式に公開し、8GBと16GBのGDDR6メモリ構成が明らかとなった。特に、TUFブランドの16GBモデルは最上位構成として高価格帯になる可能性が指摘されている。一方で、500ワットを超えるとされる消費電力や、8GBモデルのVRAM容量に対する不満の声も挙がっている。
最新ゲームが要求するメモリ容量の増加を踏まえると、16GB構成が選好される傾向は強まりそうだ。さらに、RX 9070シリーズでは見送られていたデュアルファン仕様が復活し、冷却性能の強化にも注目が集まっている。販売価格がMSRPをどこまで維持できるかが市場評価の鍵を握る。
VRAM構成と消費電力に見るRX 9060 XTの設計思想

Asusが発表したRadeon RX 9060 XTは、RDNA 4アーキテクチャを採用し、8GBおよび16GBのGDDR6メモリ構成で展開される。128ビットのメモリバスにより、帯域幅には一定の制限があるが、コンパクトなNavi 44チップの採用により、省スペース設計と冷却性能の最適化が図られている。
さらに、電源供給には8ピンコネクタが必要とされ、消費電力は少なくとも500ワットを要すると伝えられており、これまでのミドルレンジGPUに比べ高めの電力要求となっている。VRAM容量については、特に8GBモデルへの疑問が多い。近年のAAAタイトルでは12GB以上のVRAMを前提とした設計も散見され、8GBでは快適な描画が困難になるケースも想定される。
したがって、16GBモデルへの需要が高まる可能性があるが、価格差がどの程度生じるかが購買判断の重要な軸となる。一方、電力面においては、デスクトップPCの電源ユニットや冷却機構の再構成が必要になる可能性があり、性能向上の恩恵を享受するためには相応の設備投資も求められる構造といえる。
デュアルファン仕様の復活と価格戦略に残る不透明性
今回のRX 9060 XTでは、TUFブランドにおいてデュアルファンモデルが再登場している点が注目される。前世代のRX 9070およびRX 9070 XTでは排除されていたこの仕様は、騒音抑制と冷却効率の両立を意識した選択と見られ、限られたスペースに収まる中型筐体をターゲットとした設計方針が垣間見える。
冷却性能の強化は、消費電力の増加に伴い、発熱対策として極めて合理的な対応といえる。一方、価格帯に関しては依然として不透明感が残る。RX 9070 XTでは、メーカー希望小売価格(MSRP)と実勢価格との間に大きな乖離が生じていた経緯があり、今回も同様の傾向が懸念される。
特にオーバークロック版などの上位モデルは、TUF 16GB SKUを中心に高額化する可能性がある。購買層としては価格と性能のバランスに敏感であり、コストパフォーマンスを見極める動きが活発化することは想像に難くない。今後の市場導入においては、価格戦略と供給量の調整が鍵を握ることになりそうだ。
Source:NotebookCheck