Microsoftは2025年10月14日にWindows 10のサポートを終了すると正式に発表し、その対応として既存ユーザーに対しWindows 11への移行を求めている。移行施策の一環として送信されたメールでは、アップグレード情報とともに「新しいPCの購入」を推奨する内容が含まれていた。

StatCounterの調査によれば、2024年現在でもWindows 10の利用率は58.7%と高く、多くのユーザーが旧OSにとどまっている状況である。なお、Windows 11への無料アップグレードは引き続き提供されており、多くのPCは要件を満たすとされるが、TPM 2.0など一部ハードウェアの制限が障壁となる可能性も否定できない。

旧環境を継続利用するユーザーには初年度30ドルの有料セキュリティ更新が用意されているが、それ以降の運用は自己責任が求められる。新機能や安全性を前面に打ち出すWindows 11への転換は、今後の業務環境選定にも影響を及ぼすとみられる。

Windows 10の延命策と有償サポートの選択肢

Microsoftは2025年10月14日にWindows 10の公式サポートを終了すると明言し、それに先立ち延命措置として「拡張セキュリティアップデート(ESU)」の提供を開始する。このプログラムでは初年度30ドルの有料アップデートが用意されており、引き続きWindows 10を使用したい層に対して最低限のセキュリティ環境を維持する手段となる。

しかしこのESUは一回限りの支払いにとどまらず、翌年以降の料金体系や提供有無については明確にされておらず、継続的な利用にはリスクが伴う。企業にとっては既存端末を延命する合理的な選択肢である一方、個人にとってはコスト負担の重みやサポート切れの不安が影響する。

また、セキュリティ更新が限定的な範囲にとどまる可能性がある以上、長期的な視点ではアップグレードによるリスク回避が求められる場面も多い。ESUは暫定的な措置でしかなく、結果的にWindows 11移行を後押しする構造になっているとも言える。

新PC推奨という異例の訴求とその背景

Microsoftがユーザーに対し「Windows 11への移行には新しいPCの購入を検討すべき」と示唆した点は、これまでのアップグレード施策とは異質な展開である。実際には多くのWindows 10搭載PCがWindows 11のシステム要件を満たしており、1GHz以上の64ビットCPU、4GB以上のRAM、TPM 2.0などの基準さえ備えていれば無料での移行は技術的に可能とされている。

それにもかかわらず、Microsoftはメール配信の中で新PC購入ページへのリンクを挿入し、あたかも端末刷新が必要であるかのような印象を与えている。この背景には、ハードウェアの更新を通じたエコシステムの刷新と、最新機能「Microsoft Recall」などWindows 11専用機能への関心を喚起する狙いがあると考えられる。

ただし、性能面で支障のない端末がアップグレードから除外されるケースも存在し、消費者の混乱を招くリスクは無視できない。旧PCでもインストール可能との報告が複数上がっている現状では、新PC購入の推奨がどこまで実質的根拠を伴うかは個別判断が求められる。

無料アップグレード継続と“最後のOS”の行方

Windows 11への無料アップグレードは、公式ブログでかつて「期間限定」とされたものの、現在はその表記が削除され、継続提供されていることが確認されている。これにより、技術的要件を満たすユーザーにとっては、金銭的な負担なく最新OSへの移行が可能な状態が続いている。

Microsoftはこの移行を通じて、セキュリティの強化、パフォーマンスの向上、さらにはAIを活用した新機能の普及を進めているとされる。一方で、Windows 11には操作履歴を記録する「Recall」など、ユーザーのプライバシーに関わる機能も含まれており、賛否の声が分かれる状況である。

「Windows 10が最後のWindows」とされた2015年当時の方針とは対照的に、現在のMicrosoftは明確に次世代移行を推進しており、OSもまた進化し続ける製品として再定義されつつある。無料アップグレードの継続は、ユーザー基盤を一気に新OSに誘導するための戦略的判断であり、無償提供の“期限”が曖昧な今こそ移行の好機と見る向きもある。

ただし、将来的な有料化やサポートポリシーの変更が突然起こる可能性を想定し、移行タイミングの見極めは慎重に行う必要がある。

Source:LaptopMag