Samsungの最新フラッグシップ、Galaxy S25が「Instant Hotspot」機能に対応したことで、同社スマートフォンと他社製Androidタブレット間でのインターネット共有が大幅に簡素化された。
これまでSamsung独自の「Auto Hotspot」は自社製端末間に限定されていたが、今回の対応によりGoogle Play Servicesを利用した標準機能が利用可能となった。
Galaxy S25がInstant Hotspotに対応した意味とは

Galaxy S25は、Samsungスマートフォンとして初めてAndroid標準の「Instant Hotspot」に対応した機種となる。これにより、Wi-Fi環境がない場所でも、近くのGalaxy S25をインターネットの中継点として、Androidタブレットを即座にオンライン化できるようになった。タブレット側に表示される通知をタップするだけで接続が完了する手軽さが魅力で、わざわざスマホの設定画面を開いてホットスポットをオンにする必要はない。
従来、Samsungは独自の「Auto Hotspot」を展開してきたが、これは同社製スマホとタブレット間でのみ有効な閉じた仕組みだった。そのため、Samsungスマホと他社製タブレットを併用している場合には利便性が大きく損なわれていた。今回のInstant Hotspot対応は、こうした制約から解放される初の一歩と言える。
Androidエコシステムにおいて、メーカーをまたいだ接続のしやすさは使用感に直結する。Galaxy S25のように標準機能を積極的に取り入れる姿勢は、今後の製品選びにも影響を与える可能性がある。
One UI 7が機能解放のカギか 一部旧機種にも波及の兆し
Googleのサポート情報では、Instant HotspotはGalaxy S25以降の端末限定とされているが、実際にはOne UI 7をインストールした一部の旧型Samsungスマホでこの機能が作動しているとの報告が挙がっている。これが事実であれば、ハードウェアではなくソフトウェアによって対応が可能であることを意味し、対応機種が拡大する余地があると言える。
ただし、現時点ではSamsungからの公式な案内はなく、ユーザーによる検証ベースでの情報にとどまっている。すべての旧機種が対応する保証はなく、バージョンやモデルによって挙動が異なる可能性が高い。
それでも、既存の端末が機能強化される期待が持てるのは歓迎すべき流れである。特に、タブレットとの接続性を日常的に求める層にとっては、買い替えのタイミングやOSアップデートへの関心が一層高まるきっかけになるだろう。
Samsungが標準機能を受け入れた背景に見える柔軟性の変化
長らくSamsungは、自社のソフトウェア機能にこだわる姿勢を貫いてきた。Auto Hotspotのように独自機能を磨き上げる一方で、Googleが提供するAndroid標準機能の採用には慎重だった印象がある。しかし今回、Galaxy S25にInstant Hotspotを搭載したことで、外部デバイスとの接続性に対する柔軟なアプローチが垣間見える。
これは、ユーザーが複数メーカーのデバイスを併用するという現実にSamsung側が歩み寄った結果と捉えることができる。特定ブランドに縛られず、便利な機能は広く使えるようにするという発想は、日常の使いやすさを重視する層には好まれる傾向にある。
この対応をきっかけに、今後は他のGoogle標準機能も順次取り入れられていく可能性がある。ブランドの垣根を超えた体験を提供できるかどうかは、今後のスマートデバイス選びの新たな判断軸となり得るだろう。
Source:PhoneArena