Galaxy S23シリーズに配信されたOne UI 7によって、カメラ機能が大幅に刷新された。新たに導入されたのは「クリーンビュー&レイアウト」「カメラウィジェット」「高度なプロモード」「撮影モードのカスタマイズ」の4点。UIの簡素化や直感的な操作性の向上により、撮影時の没入感が増している。

特定モードへの即時アクセスや、グラフ表示による露出管理など、撮影前後のプロセスが格段にスマートになった点も見逃せない。日常の一瞬を切り取る手軽さと、本格的な表現力の両立を狙ったアップデートといえそうだ。

UI刷新で撮影のストレスを軽減 シンプルさがもたらす集中力の向上

One UI 7では、Galaxy S23シリーズのカメラアプリが全面的に再設計された。ズーム操作やレンズ切り替えボタンの配置が見直され、プレビューウィンドウ下に再配置されたことにより、被写体から視線を逸らすことなく操作が可能になった。アイコンの数も減少し、視覚的ノイズが大幅に削減された点も特筆すべきポイントである。これにより、撮影中の判断や構図の調整に集中しやすい環境が整った。

画面内の情報が整理されることで、初心者から上級者までスムーズに操作できるようになったという利点もある。カメラアプリにおいて、機能の多さと使いやすさは往々にしてトレードオフの関係にあるが、今回のアップデートはそのバランスを巧みに調整している印象を受ける。操作の手数が減ることで、撮影までの導線が短縮され、結果的にシャッターチャンスを逃しにくくなるという実用面での恩恵も大きい。

カメラウィジェットと撮影モードの並び替えで“自分仕様”が加速

新たに追加された「カメラウィジェット」は、ホーム画面から特定の撮影モードやレンズに即アクセスできる機能である。ポートレート、夜景、ビデオなどの使用頻度が高いモードをウィジェットに登録しておけば、アプリを起動してからモードを切り替える手間が省ける。さらに、撮影した写真を特定のアルバムに自動保存する設定も可能で、整理作業の手間も軽減される仕組みとなっている。

また、撮影モードの順番変更や非表示設定といったカスタマイズ機能により、カメラアプリがより個人の使い方にフィットするようになった。不要なモードを非表示にすることで操作画面がすっきりし、頻繁に使う機能へスムーズにたどり着けるようになる。撮影スタイルが人それぞれ異なる中で、この柔軟性は歓迎される変更といえる。撮影時のテンポ感や快適さに直接影響する要素であり、日常的な撮影体験を大きく変える可能性を持っている。

プロモードの進化が映像制作の可能性を押し広げる

One UI 7で強化されたプロモードでは、静止画だけでなく動画撮影にも対応するようになった。特に注目されるのは、ヒストグラムや露出、ホワイトバランスをリアルタイムで確認できる「グラフ表示」の追加である。これにより、露出過多や色温度のズレといった撮影ミスを事前に回避しやすくなり、仕上がりに対するコントロール性が大幅に向上した。

これまで動画撮影はオート任せが中心だったが、今回のアップデートにより、より精密な表現を目指すユーザーにとって選択肢が広がったことになる。細かなパラメータを調整しながら撮影できる環境は、Vlogやショートムービーといった日常的な映像制作にも適している。高度な調整機能を備えたスマートフォンはまだ一部に限られており、Galaxy S23シリーズの存在感は一層際立ちそうだ。手のひらサイズのツールでプロフェッショナルな表現に迫る環境が、現実のものとなりつつある。

Source:Sammy Fans