2024年製のサムスン製プレミアムサウンドバー「HW-Q990D」などが、ソフトウェアアップデートにより動作不能に陥る深刻な不具合が発生している。原因はバージョン1020.7のファームウェアに含まれるバグで、アップデート後にeARC接続がフリーズし、アプリとも接続不可となる事例が複数報告された。

影響はアメリカやオーストリア、マレーシアなど各国に及び、Q800DやS801Dといった他モデルにも広がっている。単なるリセットでは復旧せず、物理的な修理が必要とされる事態となった。

文鎮化の原因はファームウェア「1020.7」 一部モデルに物理修理が必要な深刻事態

不具合の原因とされているのは、ファームウェア「1020.7」に含まれるソフトウェアエラーである。このアップデートが適用された直後から、サムスンの高級サウンドバー「HW-Q990D」を中心に、eARC接続時のフリーズやSmartThingsアプリとの通信不能といった症状が発生。電源は入るが実質的には操作不能となり、ユーザーがリセットや再起動を繰り返しても改善しないという報告が相次いでいる。

この問題はQ990Dだけにとどまらず、「HW-Q800D」や「HW-S801D」でも同様の不具合が確認されており、RedditやAVSForumなど複数のコミュニティで被害状況が共有されている。加えて、問題は米国だけでなくオーストリアやマレーシアなどでも発生しており、グローバルで影響が広がっている。

サムスンは現在、該当ユニットに対し保証期間を問わず無償修理を提供すると発表したが、今回の不具合は単なるソフトウェアパッチでは解決できず、物理的修理が必要な点が深刻さを際立たせている。ハイエンドモデルであるにもかかわらず、更新一つで利用不能となる脆弱な構造が明らかとなった形だ。

自動アップデートの落とし穴 利便性と安全性のバランスはどこにあるのか

今回の一件では、自動アップデート機能が裏目に出た。多くのユーザーはファームウェア「1020.7」が自動的に適用された結果、何の前触れもなくサウンドバーが文鎮化するという事態に直面している。便利さの象徴であるはずの自動更新が、結果として高額なオーディオ機器を一瞬で無力化してしまったのである。

一方、サムスンは問題発覚後も自動アップデート停止の案内を積極的に行っておらず、対応が後手に回っているとの声もある。ファームウェアの品質管理が徹底されていれば避けられた可能性もある中、今回の事象はアップデート配信のタイミングや検証体制にも疑問符を投げかける結果となった。

自動アップデートは利便性を大きく高める一方で、万が一のリスク発生時にはユーザーの選択肢を奪ってしまう。とくにオーディオや映像といった趣味性の高い機器においては、更新の自由度を保持する仕組みが求められる。今後、こうしたリスクをどう回避できるかはメーカーだけでなく、利用者にとっても重要な課題となるだろう。

Source:TechSpot