Googleの最新モデルPixel 9aは、IP68の耐水・防塵性能を新たに備えたことで注目を集めている。これは、従来のPixel 8aのIP67から一段階上がった仕様であり、同価格帯ながら大幅な耐久性向上が実現された形だ。

IP68は、塵やホコリの完全遮断に加え、1.5メートルの水深で30分間耐える水準とされる。ただし防水とは異なり、落下や筐体破損によって性能が失われる可能性がある点には注意が必要である。

IP68の取得でPixel 9aが得た新たな実用性とは

Pixel 9aは、廉価モデルでありながらIP68等級を取得したことで、耐久性能における大きな進化を遂げた。これは従来のPixel 8aのIP67と比較して、水深1.5メートルで30分間の耐水性を有する仕様であり、実質的にフラッグシップと肩を並べる防塵・耐水性能を持つことになる。塵やホコリの完全遮断も含まれるため、アウトドアやキッチンなど埃や水に晒されやすい環境でも安心感が増した。

GoogleがPixel 9aにこの性能を導入した背景には、利用者のライフスタイルの多様化があると考えられる。日常生活の中で、突発的な水濡れや砂塵への接触は避けがたく、特に屋外での使用や突然の雨、飲料のこぼれといった場面ではその価値が際立つ。従来、この水準の保護性能は上位モデルに限られていたが、Pixel 9aは価格据え置きでそれを実現している点が特筆される。

ただし、IP68は「完全防水」ではない。特に塩水やアルコール、炭酸飲料のような特殊な液体には対応しておらず、水圧の高い環境や長時間の浸水にも注意が必要である。筐体が破損していれば保護性能は発揮されない。高い防御性能を備えつつも、日常的な取扱いには慎重さを保つ必要があるのが現実である。

Pixel 9aの保証対象外となる水濡れリスクと注意点

Pixel 9aはIP68等級の耐水性能を持つが、Googleはこの性能を前提とした水没や水濡れによる故障に対して一切の保証を行っていない。つまり、短時間の水没に耐えうる性能を有していても、それを過信してしまえば自己負担による修理が必要となる可能性が高まる。これは多くのスマートフォンメーカー共通の方針であり、IP等級が保証と直結しない点は意外と見落とされやすい。

特に注意すべきは、誤って水中に落とした直後にそのまま使用を続けるケースである。端子部に水分が残ったまま充電を行えばショートの原因となり、内部損傷に直結するリスクがある。また、温水や石鹸水などの液体も故障の原因となるため、風呂場やキッチンでの使用には慎重を要する。Pixel 9aが「耐水」であっても「防水」ではないという点を明確に理解しなければならない。

水濡れ時の正しい対処としては、電源をオフにし、乾いた布で優しく拭き取った後に常温で自然乾燥させることが推奨されている。ドライヤーなどで無理に乾かすと内部に熱がこもり、かえって故障を招く恐れがある。完全に乾いたことを確認してから電源を入れる、という基本的な対応を怠らないことが、長く端末を使い続ける上での前提条件となるだろう。

Source:YTECHB