Googleの次期ミッドレンジモデルPixel 9aが最新のExynos Modem 5400ではなく、旧型の5300を搭載する可能性に対し、4400人超の読者調査で実に75%以上が「懸念あり」と回答した。

Pixel 6〜8シリーズで報告された接続不良や発熱、バッテリー劣化の記憶が影を落とす一方、改善を評価する声や問題を感じていないという使用者のコメントも寄せられている。

一部では「購入不可の決定的要因」とまで言われるこの仕様選択が、Pixel 9aの評価にどう影響するのか注目が集まっている。

旧型モデム採用で広がる不安 Exynos Modem 5300の実績と課題

Pixel 9aに搭載される可能性が高いとされるExynos Modem 5300は、Pixel 6、7、8シリーズを含む過去の複数モデルに採用されてきたモデムである。しかし、このモデムは過去にセルラー通信の安定性に関して様々な問題を抱えていたとの報告が目立つ。特にPixel 6シリーズでは、特定エリアでの圏外発生、5G接続時の過剰な発熱やバッテリー消費、Wi-Fiとの切り替えの遅さなどがユーザーから指摘されていた。

Android Authorityの調査によれば、回答者の36.61%がモデムの仕様変更を「購入不可の決定的要因」とし、39.75%がレビュー待ちとしつつも懸念を抱いている。つまり全体の75%以上が、このスペックダウンに疑念を持っているという結果だ。これは過去の利用体験に基づいた合理的な反応とも言える。

一方で、Pixel 7や8シリーズではソフトウェア更新により通信の安定性が改善されたという報告もある。今後のアップデート次第では、同じモデムを使っていても体感品質が変わる可能性も否定はできない。ただし、新機種を検討するうえで、ハードウェアの選択が依然として重要な判断材料になるのは間違いない。

モデム性能はスペック表では見えない落とし穴となるか

Pixel 9aが高性能なTensor G4チップを搭載しながら、通信部分では旧型のExynos Modem 5300を維持するという仕様には、多くのテクノロジー関心層が戸惑いを覚えているようだ。特に、Pixel 8 Pro利用者のAkash Yadav氏は、都市部では問題なくとも、高速道路など電波環境がシビアな場所では接続切れを頻発し、復旧にも手間取ると語っている。これはスペック表だけでは見えてこない、実使用環境でのギャップを示唆している。

一方で、Pixel 6aや7aを問題なく使用しているという声もある。Ryan Campbell氏はPixel 6aで2年半にわたって通信トラブルなしで利用できていると語り、地域やキャリア、利用条件によって印象が大きく異なることも明らかだ。このことは、モデム性能に関する評価が一様ではないことを示している。

通信品質はプロセッサーやカメラ性能と違い、体感するまで分かりにくい要素であり、購入後に不満が生じやすい領域でもある。今回のアンケート結果からは、Pixel 9aのような「見えない部分」の仕様選択が、購買判断に大きく影響し得ることが浮き彫りになった。慎重な選択が求められるモデルであることに変わりはない。

Source:Android Authority