Samsungが誇るGalaxy S24 FEと、GoogleのPixel 9aが登場し、どちらを選ぶべきかが注目されている。前者は50MPの3眼カメラやDeX対応、8K動画など多機能志向が光る。一方、後者はAI機能や即時アップデート、5100mAhバッテリーなど実用性を重視した設計である。
S24 FEはGorilla Glass Victus+やAMOLEDパネルによる高級感とパフォーマンスで差別化を図る一方、Pixel 9aは軽量筐体と13MP超広角セルフィー、Tensor G4によるAI処理で存在感を示す。
それぞれがターゲットとする使用スタイルの違いが明確であり、性能重視かスマートな体験重視かで選択が分かれそうだ。
ガラスとAIで分かれる設計思想 S24 FEとPixel 9aのハードウェア比較

Galaxy S24 FEは前面と背面にGorilla Glass Victus+を採用し、アルミフレームを組み合わせた重量213gの筐体で、物理的な質感と耐久性の高さが特徴だ。一方、Pixel 9aは背面にプラスチック素材を用い、186gの軽量ボディに仕上げている。防水防塵性能はどちらもIP68に対応しているが、日常使用における耐傷性ではS24 FEの方に分がある。
ディスプレイも設計の違いを象徴している。S24 FEは6.7インチのDynamic AMOLED 2Xパネルを搭載し、最大1900ニトの明るさとHDR10+対応で映像表現に優れる。Pixel 9aは6.3インチのP-OLEDで最大2700ニトとより明るく、屋外での視認性に優れるが、黒の表現やコントラストではAMOLEDに劣る可能性がある。
設計の方向性として、S24 FEは高級感やマルチメディア体験を前提にしている印象が強い。それに対し、Pixel 9aは軽量性や屋外使用を意識し、実用性やAI機能との親和性を重視したつくりとなっているようだ。手に取ったときの“感触”を重視するか、日常に溶け込む扱いやすさを求めるかで評価が大きく分かれそうである。
AIとソフトウェア体験に見る両モデルの方向性
Pixel 9aが注目される要素の一つがソフトウェアの即時アップデート対応である。Google製端末であるため、Androidのメジャーアップデートをリリース当日に受け取ることが可能で、7年間の長期サポートも保証されている。一方、Galaxy S24 FEも同じく7年サポートではあるものの、更新が数週間遅れる傾向がある。
また、Pixel 9aは「Circle to Search」や「Best Take」、「ライブ翻訳」など、AIを前提とした機能が豊富に組み込まれており、Tensor G4チップによる処理が日常の利便性に直結する。Samsung側はOne UI 6.1によってカスタマイズ性を高めており、Samsung DeXのようなPCライクな作業環境にも対応する点が差別化となっている。
このように、Pixel 9aは機能数よりも体験の一貫性とシンプルさに軸足を置き、AIによる快適な日常利用を目指している印象がある。S24 FEはツールとしての幅広い活用を想定し、デバイスを拡張的に使いたい層にフィットする構成となっている。スマートフォンを”使いこなす”か、”使い倒す”かという選択軸が見えてくる構図である。
カメラとバッテリーにみる“得意分野”の違い
Galaxy S24 FEは、50MPの広角、8MPの3倍望遠、12MPの超広角という三眼構成により、ズーム撮影を含む多様なシーンへの対応力が高い。最大8K/30fpsの動画撮影にも対応しており、高精細な映像制作も可能である。Pixel 9aは48MPの広角と13MPの超広角という構成だが、Google独自の計算写真技術により自然な補正やHDR表現で仕上がりの美しさを高めている。
特にPixel 9aでは、「Ultra HDR」や「Best Take」などのAI機能が、被写体の明暗差や表情選びまでサポートし、シーンによっては実際のスペックを上回る成果を見せることもある。インカメラにおいても、S24 FEが10MPに対し、Pixel 9aは13MPの超広角で複数人でのセルフィーに向いている点も興味深い。
バッテリー面ではPixel 9aが5100mAhと大容量で、S24 FEの4700mAhを上回る。一方で、S24 FEは25Wの急速有線充電に加え、15Wのワイヤレスおよびリバース充電にも対応しており、使い勝手に柔軟性がある。長時間駆動を重視するならPixel、充電の選択肢やマルチデバイス環境での活用を考えるならS24 FEに利点がある構図といえる。
Source:Gizmochina