Samsungが発表したミッドレンジモデル「Galaxy A56」と「A36」が、一部機能で最新フラッグシップ「Galaxy S25」や「Z Fold 6」を上回る仕様を備えていることが明らかになった。特に45Wの有線急速充電は、上位モデルがいまだに25Wにとどまる中、明確な優位点となっている。
また、Android 15への対応状況にも違和感が残る。最新のOne UI 7はAシリーズには配信済みである一方、S24シリーズは正式アップデートが未提供のまま6ヶ月が経過している。Aシリーズの存在感が急速に高まる一方で、Sシリーズは世代交代の魅力を打ち出しきれずにいる。
45W急速充電が示すAシリーズの意外な存在感

Galaxy A56およびA36は、Samsungのスマートフォンとしては珍しく、両モデルに45Wの有線急速充電を標準搭載している。これは、現行のフラッグシップであるGalaxy S25 UltraやS25 Plusと同じ仕様であり、実はS25無印や折りたたみ型のZ Fold 6よりも充電速度が上回っているという逆転現象が起きている。特に、S25が25W止まりという仕様にとどまる中で、300ドル台のAシリーズがこれを超える充電性能を持つことは、単なる価格差では説明できないインパクトがある。
もちろん、フラッグシップ機が全体的な性能や完成度で優れるのは間違いないが、日常使用において充電速度が重要な価値を持つ今、Aシリーズの45W対応は見逃せない要素となる。特に、外出中の短時間での充電や、電池残量に敏感な利用シーンでは、この差は実用面で明確なメリットになる。
これまで「高性能=上位モデル」という構図があったが、今後は「価格帯を超えた部分的な魅力」が選択の決め手になるケースが増えていくかもしれない。Aシリーズのような中価格帯モデルが、スペック面でフラッグシップを突き上げる構図は、ユーザーにとって歓迎すべき傾向といえる。
One UI 7の遅延とPixelとの差が浮き彫りに
Samsungは2025年の早い段階で、Android 15ベースの独自UI「One UI 7」の提供を開始しているが、その配信状況にはばらつきがある。最新のGalaxy S25シリーズと、新しいA56・A36・A26にはすでに適用されているものの、S24シリーズを含む多くの既存端末には、未だ正式アップデートが届いていない。PixelシリーズにAndroid 15がリリースされてからすでに6ヶ月が経過しており、このギャップは決して小さくない。
特にGalaxy S24シリーズは、最新世代として販売されているにもかかわらず、正式版のアップデートが提供されていない状況が続いている。ベータ版が一部ユーザーに展開されてはいるが、それだけでは全体の不満を払拭するには至らない。なお、今後の配信スケジュールとしては、ヨーロッパやアジアでは4月7日、アメリカでは4月10日が予定されているという。
こうしたアップデートの遅れは、かつて迅速な更新対応で評価を得ていたSamsungにとって、信頼性の低下にもつながりかねない。事実、前世代のGalaxy S23ではAndroid 14が配信された2023年10月4日からわずか26日後の10月30日にはOne UI 6が到着していた。今回の遅延は、ユーザーからの期待値にそぐわない結果となっており、今後のアップデート戦略にも少なからず影響を与えるはずだ。
Source:PhoneArena