Appleが2026年後半に投入を予定するiPhone 18シリーズに、TSMCの2nmプロセスチップを全モデルで採用する可能性が浮上した。著名アナリストのミンチー・クオ氏は、通常モデルを含めた全面的なチップ刷新を再度示唆している。

注目すべきは、3ヶ月前に試作段階で歩留まり60〜70%に達した同チップが、現在ではさらに安定した生産体制に移行している点である。この進展により、従来はProモデルに限定されると見られていた最先端半導体が、広範なラインナップに展開される可能性が高まった。

一方、iPhone 17 Proにも音響性能の改善や新レンズ、急速充電対応などの進化が見込まれており、現行モデルを見送る判断には慎重さが求められる。

TSMCの2nmプロセスがiPhone 18全モデル採用に現実味 歩留まり向上がもたらす構造的変化

Appleが2026年後半に投入を予定するiPhone 18シリーズでは、TSMCの2nmプロセスを用いたチップが全モデルに搭載される可能性が取り沙汰されている。アナリストのミンチー・クオ氏は、昨年9月にはコスト面から通常モデルでの採用には否定的な見解を示していたが、今回はその留保がなく、立場を修正したようにも読み取れる。

この背景には、TSMCが同チップの試作段階で歩留まり60〜70%を達成し、現在ではそれを大きく上回る水準に達しているという事実がある。これは量産体制への移行が現実的な段階に入ったことを意味しており、コスト構造の見直しも進んでいると考えられる。

TSMCの2nmプロセスは、従来の3nmに比してトランジスタ密度を高めつつ、省電力性と処理速度を両立する技術革新とされる。これが通常モデルにまで拡大されるならば、Appleにとってはシリーズ全体の性能底上げが可能となり、ラインナップの差異化戦略にも影響を与えるだろう。

一方、歩留まりの安定は生産コストの予見可能性を高めるが、Appleが利益率を維持するために他の部品仕様で調整を図る可能性も残されている。製造技術の進展は製品戦略に直結するという点で、2nmチップの全モデル搭載は単なる性能向上以上の意味を持つ構造的な転換と捉えられる。

iPhone 17 Proにも進化の兆し 買い控えの判断は慎重に行うべきか

iPhone 18が2nmチップ搭載で注目を集める中、今年秋に発表が見込まれるiPhone 17 Proもまた、進化の余地を多く残しているとされる。Tom’s Guideによれば、新設計の筐体、高速化されたチップ、新たな48MP望遠レンズ、高品質なセルフィーカメラ、さらに急速充電への対応などが噂されている。

とりわけ音響性能の向上は、これまでのiPhoneシリーズでも重視されてきた改善点であり、日常的な使用体験の質を大きく左右する可能性がある。加えて、処理性能とバッテリー効率の向上があれば、ビジネスやコンテンツ制作用途でも価値ある選択肢となり得る。

iPhone 18の登場まで1年半という時間があることを考えると、目の前にあるiPhone 17 Proの実力も軽視すべきではない。Appleは通常、Proモデルにおいて新技術を先行投入する傾向にあるため、17 Proが16 Proから大幅な飛躍を遂げる可能性も否定できない。一方で、仮にiPhone 18で通常モデルまで2nm化されれば、Proと通常モデルとの性能差が相対的に縮小する可能性もある。

従って、現行機種の完成度と、来年の進化幅の双方を見極めた上で、購入のタイミングを慎重に判断する必要がある。魅力的なスペックが予想される今秋のモデルも、決して「つなぎ」として済ませるべき存在ではない。

Source:Tom’s Guide