FonecycがKickstarterで発表した新型ドッキングソリューション「MegaHub」は、16インチMacBook Pro向けに設計され、最大16TBのM.2 SSDストレージ追加を可能にするという点で注目を集めている。USB Type-Cを基軸に多彩なインターフェースを備え、最大1 Gbit/sの帯域幅や100W給電対応のポート、SDカードリーダーなどを搭載。

Apple純正のストレージ拡張と比較してコストパフォーマンスに優れ、プロユースのデータ運用にも対応可能とされる。ただし、クラウドファンディングによる製品である以上、リリースされない可能性や支援金損失のリスクも並存する点には留意が必要だ。

最大16TBまで拡張可能な構成と多機能ポートによる高い汎用性

Fonecycの新型ドッキングステーション「MegaHub」は、最大4基のM.2 2280 SSDを搭載可能で、合計最大16TBの追加ストレージを提供する仕様となっている。これは、Apple純正のSSD構成では実現困難な容量であり、写真・動画編集や3Dデータ処理など、高負荷作業を行うプロフェッショナルにとって実用性が高い。

加えて、USB Type-Aポート2基、100WのPower Deliveryに対応したUSB Type-Cポート2基、SDカードリーダー、ヘッドフォンジャックといった入出力端子も装備されており、映像・音響・データ処理の一括運用に対応する。本体サイズは14.4 x 3.5 x 1.1インチとされ、一部がMacBook Proの底面に配置される設計で、自然な傾斜が生まれる点は人間工学的にも一定の意義がある。

反面、この厚みは一般的なスリーブやキャリングケースへの収納に支障をきたす可能性があり、携帯性には注意が求められる。こうした構成は、据え置き型のワークステーション的運用に最適化された設計思想を反映していると見てよい。

高額なApple純正ストレージ構成への現実的な対抗策となり得る

AppleのMacBook Proにおけるストレージ増設は、購入時に構成を選ぶ必要があり、最大8TBモデルでは50万円超となるケースも少なくない。一方、MegaHubはKickstarter上で158ドルの支援金で入手可能とされ、ユーザー自身で市販のM.2 SSDを選定することで、コストを大幅に抑えつつ大容量化を図ることができる。

この点において、従来のMacユーザーが抱えていた「拡張性の低さ」「コストパフォーマンスの悪さ」といった課題を緩和する手段となる可能性がある。もっとも、MegaHubはクラウドファンディング製品であり、市場への正式な製品化が保証されているわけではない。

支援後に製品が届かないリスク、期待値に届かない性能・品質といった問題は過去の類似プロジェクトでも見受けられており、慎重な判断が求められる。また、形状が16インチモデルに特化している点も汎用性を狭めており、設計思想の明確さと引き換えに、利用者を限定している面があることは否めない。

Source:Notebookcheck