ArchベースのLinuxディストリビューション「EndeavourOS Mercury Neo」が、新たなISOとしてリリースされた。Calamaresインストーラーの更新やFirefox 136の搭載、カーネル6.13.7への刷新、さらにMesa 25やNvidiaドライバの最適化など、実用性と安定性を重視した改良が加えられている。
インストール時のミラーランキング不具合や旧式のブートオプションの削除、EFIパーティションのサイズ拡大といった細部にも配慮されており、システム構築の自由度が飛躍的に向上。ユーザーの声を着実に反映した開発姿勢が光る。
Windows 11の操作性や更新管理に不満を抱えるユーザーにとって、Mercury Neoは手軽で柔軟な代替手段となり得る。商業的要請を排した、現場目線の洗練が印象的だ。
インストール体験とパフォーマンスに注力したMercury Neoの刷新内容

EndeavourOSの新バージョン「Mercury Neo」では、2月版の「Mercury」からの改良点として、Calamaresインストーラーのバージョンアップ(25.02.2.1-2)をはじめ、Firefox 136の標準搭載、Linuxカーネルの6.13.7.arch1-1への更新が実施された。
これにより、初回インストール時の安定性と速度が向上し、ユーザー体験の一貫性が高まった。加えて、Mesa 25や最新のXorgサーバー、ディスクリートGPUユーザーに向けたNvidiaドライバの更新も導入され、幅広いハードウェア環境での動作保証が強化されている。
注目すべきは、xwaylandvideobridgeの削除やミラーランキングに関するバグ修正といった、内部の微調整が含まれている点である。これにより、地域によっては発生していたインストール失敗の問題が解消された。
また、Systemdの自動インストールを選択した際のEFIパーティションサイズが1GBから2GBへ拡張され、複数カーネル運用など高度な構成にも柔軟に対応できる余地が生まれた。こうした機能の充実は、見た目や表層的な派手さではなく、現実的な使用環境に即した安定性と操作性を重視している姿勢の表れである。
一般的な利用者が陥りがちなセットアップ上の問題を事前に排除しようとする配慮がうかがえる。商業OSではなかなか見られない、地道で着実な進化である。
ユーザー主導の開発文化が生む高い完成度と自由度
Mercury Neoの最大の特長は、その背後にあるユーザー中心の開発姿勢にある。EndeavourOSはArch Linuxをベースとするローリングリリース方式を採用しており、日々の更新によって常に最新の状態を保ちつつも、安定性と軽快さのバランスが保たれている。
その設計哲学には、ユーザーコミュニティからのフィードバックを重視する文化が根付いており、今回のリリースにもその姿勢が反映されている。具体的には、既存ユーザーに再インストールを不要とする一方で、新規ユーザーの導入体験を徹底して磨き上げた構成となっている。
また、古いNvidiaのブートオプションを削除するなど、過去の遺物に固執せず、合理的な判断が下されている点も見逃せない。これらの対応は、利用者が抱える潜在的な課題を事前に解消する意図があると考えられる。一般的な商用OSでは、企業戦略や市場要求が開発方針を左右する場面が多いが、Mercury Neoではユーザーが求める実用性が最優先されている。
その結果として、自由な構成が可能なシステム環境が提供され、細部に至るまで使用者の裁量が尊重されている。これは、ソフトウェアを単なる道具ではなく、自分の手で構築・制御する対象と捉える利用者にとって、大きな魅力となるはずだ。
Source:BetaNews