AIスタートアップ領域でNvidiaの投資攻勢が加速している。Crunchbaseのデータによれば、同社は2023年に26件、合計188億ドルの資金調達ラウンドに参加し、Microsoft(約100億ドル)やGoogle(320万ドル)を大きく上回った。xAIやOpenAIへの巨額投資のほか、Scale AIやWayveといった注目企業にも出資し、AIエコシステムの中核的存在としての地位を強めている。
また、社内のベンチャー部門NVenturesも活動を活発化させており、件数・規模ともに前年を上回った。一方でMicrosoftは投資件数・金額の両面で前年から減少、Googleは企業としての投資が大幅に縮小し、GVによる動きが目立つ形となった。
Nvidiaの積極的な姿勢は、高性能チップの供給というハード面での支配力と連動しており、AIスタートアップ市場における影響力をますます拡大させている。
NvidiaのAI投資が主導する次世代スタートアップエコシステム

Nvidiaは2023年に26件、合計188億ドルの資金調達ラウンドに参加し、スタートアップ投資においてMicrosoftやGoogleを大きく引き離した。xAIやOpenAIといった大型案件をはじめ、Scale AIやWayveなど多岐にわたる分野に投資を行い、その投資領域は生成AIから自動運転、データラベリングにまで及ぶ。
NVenturesも14件・8900万ドルと小規模ながら着実な存在感を見せており、2022年の9件から投資件数は大幅に増加している。
Nvidiaが積極的な投資を継続している背景には、自社GPUの需要を高めるという明確な戦略がある。AIの学習や推論において欠かせない同社のチップは、Lambdaのようなクラウド型AIインフラ提供企業との連携により、ビジネス全体の収益構造とも直結する。
この戦略的投資は単なるリターン狙いではなく、AIサプライチェーンの上流から下流までを自社が握る構造づくりに他ならない。資金を通じて影響力を及ぼすNvidiaの動きは、今後のスタートアップ成長軸における新たなモデルを示している。
GoogleとMicrosoftの投資戦略の変調が示す事業構造の違い
Microsoftは2023年に12件・122億ドルだったAIスタートアップ投資が、2024年には9件・約100億ドルと減少傾向にある。特筆すべきは、OpenAIやWayveなど、Nvidiaと重複するラウンドが多く、独自色の強い案件が限られている点である。
また、UAEのG42に対する15億ドルの戦略的投資など、対象の地理的分散も特徴的である一方、2024年に入ってからの目立った投資はGuidenAIへのプレシードラウンドのみと出足が鈍い。
Googleはさらに顕著に動きが鈍化しており、企業としての出資は2023年の12件・36億ドルから、2024年にはわずか4件・320万ドルに激減している。CharacterXのシードラウンド以外には目立った動きがなく、投資規模も極めて小さい。
ただし、GV(Google Ventures)は依然として22件・15億ドルのラウンドに関与しており、特にVercelやLightmatterといった成長力のある企業への出資が目立つ。Googleが自社資本による投資を抑制し、VC部門を通じた分散的な戦略にシフトしていることがうかがえる。
このような違いは、AI開発を自社中心で進める体制の強化と、外部との連携を重視する姿勢の差を反映している。特にMicrosoftは、OpenAIとの深い提携関係が今後の投資判断に影響を与えており、他社とのバランスを図る動きが求められる状況にある。スタートアップ投資が単なる成長促進手段ではなく、事業戦略そのものを映す鏡となっていることが明白である。
Source:Crunchbase News