米国のテクノロジー業界における人員削減の動きが再び加速している。今週はヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が今後18ヶ月以内にグローバルで2,500人の削減を予定していることが報じられ、影響の範囲は米国内にも及ぶ可能性がある。

同時に、配車・デリバリー業界でも再編が進行中で、Grubhubは親会社Wonder社による統合方針の一環として約500人の職を削減すると発表した。さらに、WayfairやHelloFreshもテキサス州の拠点閉鎖に踏み切り、それぞれ340人および273人の削減が見込まれている。

Crunchbaseの集計によれば、2024年だけで米テック企業による解雇数はすでに95,667人に達しており、2025年も引き続き構造的な調整が続く可能性がある。各社の動きは単なるコスト削減にとどまらず、戦略的拠点の再選定や事業の選別を示唆している。

テクノロジー大手の人員削減が続発 HPE、Grubhub、HelloFreshの動向

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は、2025年までにグローバルで2,500人規模の人員削減を実施する計画を明らかにした。削減対象の国別内訳は開示されていないが、米国での影響も不可避とみられる。さらに、Grubhubは親会社Wonder社との組織統合を進めるなかで、約500人の職を削減する方針を示した。食品関連のテック企業においても再編の兆しが顕著となっている。

HelloFreshは、テキサス州グランドプレーリーの配送拠点を2024年5月に閉鎖し、近隣のアービング拠点へ統合する。この措置により、273人の従業員が影響を受ける予定である。

一方、Wayfairはオースティンのテクノロジー開発拠点を閉鎖し、バンガロールおよび米国内の主要拠点へ経営資源を集約する方針を取った。340人の人員削減が報じられており、デジタル小売分野でも選択と集中の動きが進行中である。

2025年3月第3週時点でのレイオフ人数は週単位で4,243人にのぼり、2024年通年ではすでに9万人超が解雇された。これらの事例は、企業が事業モデルや地域戦略の見直しに迫られるなかで、従来型の拠点運営が再評価されている実態を物語っている。

数字に浮かぶ構造的転換 2022年以降のレイオフが示す米国テック業界の行方

Crunchbase Newsの統計によれば、2022年から2024年までの3年間で、米国のテック業界では延べおよそ380,000人が職を失った。特に2023年の191,000人という数字は、企業規模や業種を問わず構造的な人員調整が進んだことを示している。

2024年も95,667人がレイオフの対象となり、2025年に入ってもその傾向は変わらない。過去の景気循環とは異なり、レイオフの波は短期的な収益改善ではなく、中長期的な経営戦略の再構築に起因するものであるとみられる。

たとえば、Intelの15,062人、Teslaの14,500人、Ciscoの10,150人という大規模な削減は、いずれも製品ポートフォリオの再構成やAI領域への移行など、将来的な事業ドメインの再定義に直結していると解釈できる。単なる業績不振ではなく、変化に対応するための「選択的縮小」が企業の意思決定において重視されている。

これまでのようにテクノロジー業界が人材需要をけん引する時代から、供給最適化と効率性を重視する段階に移行しているとも読み取れる。拡大路線からの転換は、企業の生存戦略であると同時に、労働市場の構造そのものに変化を迫る要因となりつつある。

Source:Crunchbase News