NVIDIAが2024年1月に公開したGPUドライバ572.XXが、GeForce RTX 40シリーズを中心に深刻なトラブルを引き起こしているとの報告が相次いでいる。Reddit上では、システムクラッシュやブラックスクリーン、モニター表示不良といった症状が多数共有され、特に『サイバーパンク2077』など一部ゲームでは起動直後のフリーズも確認されている。

問題はRTX 50シリーズ対応を目的としたドライバアップデート以降に顕在化しており、以前の566.XXドライバへ戻すことで安定するケースも多い。新機能であるDLSS 4やマルチフレーム生成との関係性は不明だが、複合的な要因が不具合を誘発している可能性が指摘されている。

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現在のところNVIDIAは、RTX 40シリーズ向けの修正を公式に発表しておらず、ユーザー側の対処による対応が続いている。

RTX 40シリーズで頻発するクラッシュと表示異常 572.XXドライバの影響範囲

2025年1月30日にリリースされたNVIDIAのGPUドライバ572.16以降、多数のRTX 40シリーズユーザーがクラッシュ、ブラックスクリーン、映像出力の喪失といった深刻な不具合に直面している。Redditではu/Soctty1992による報告が注目を集めており、『サイバーパンク2077』を起動した直後にクラッシュする事例や、モニターが完全に映らなくなるケースなどが確認されている。RTX 4090やRTX 4080など、上位モデルでも影響が報告されており、症状は一部にとどまらない。

複数のユーザーは、ドライバを旧バージョンである566.XX系に戻すことで安定動作を取り戻したと述べており、572.XXの導入が直接的な原因である可能性が指摘されている。ただし、同ドライバではDLSS 4やレイ再構築など新機能への対応も含まれているため、アップデートによって生じたコード変更が不具合の温床になっていると考えることは否定できない。

ドライバの更新が新たな問題を引き起こすことは過去にもあったが、今回は高性能GPUであるRTX 40シリーズが標的となっている点が注目される。新機能を享受するか、安定性を優先するかという二択を迫られているユーザーにとって、この不具合は看過できない事態と言える。

最新機能か安定動作か ドライバの選択に悩むRTX 40ユーザー

572.XXドライバには、DLSS 4のTransformerモデルやマルチフレーム生成、DLSSオーバーライドといった先進的な機能が含まれており、RTX 50シリーズとの親和性を高める意図があると見られる。しかし、これらを活用できる環境が整っていないRTX 40シリーズにおいては、むしろ不具合を誘発する要因となっている可能性がある。実際に、DLSS関連機能を無効化しても不安定な動作が継続するケースも報告されている。

この状況により、多くのRTX 40ユーザーは最新機能の使用を断念し、旧ドライバへのロールバックを選択せざるを得なくなっている。だが、古いドライバを使い続けることで、新たにDLSS対応となったゲームや最適化が施されたタイトルの恩恵を受けられないといったデメリットも無視できない。ドライバの選択が、単なる利便性の問題ではなく、ゲーム体験そのものの質を左右する重大な決断になっているのが現状だ。

NVIDIAがRTX 50シリーズに注力するのは自然な流れではあるが、40シリーズは依然として主力GPUとして現役である。早期の修正対応が行われなければ、旧モデルユーザーとの間に不公平感が広がる可能性も否定できない。安定性と機能性のバランスが求められる今、ドライバアップデートの在り方が問われている。

Source:RedditWccftech