モロッコの小売業者Mediazoneが公開した製品情報により、ASUSの新型ゲーミングノートPC「TUF Gaming F16」に、NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 5060」と「RTX 5050」が搭載されることが明らかになった。両モデルとも最新のGDDR7メモリと8GBのVRAMを備えるとされ、特にRTX 5050は従来予想されていたGDDR6ではなく、より高速なGDDR7採用の可能性が注目を集めている。

現在このノートPCは、Intel第14世代Core i7を搭載し予約受付中。価格はRTX 5050モデルが約2,066ドル、RTX 5060モデルが約2,231ドルとなっている。

ASUS TUF Gaming F16の新型モデルに見るRTX 50シリーズの仕様と価格

モロッコの小売業者Mediazoneが掲載した情報によれば、ASUSの次期ゲーミングノート「TUF Gaming F16」に、GeForce RTX 5060およびRTX 5050のノートPC向けGPUが搭載される見込みとなった。特に注目されるのは、両モデルともに8GBのGDDR7メモリを備えている点であり、これはこれまでのリークで予想されていたGDDR6とは異なる内容である。過去にはLG製ノートPCの情報から、RTX 5050にはGDDR6メモリが採用されると見られていたが、今回の記載ではより高速なGDDR7が示されており、メモリ構成に関する仕様の変化が示唆されている。

価格面では、RTX 5050モデルが19,900モロッコディルハム(約2,066ドル)、RTX 5060モデルが21,490ディルハム(約2,231ドル)とされ、どちらも付加価値税(VAT)を含んだ価格表示となっている。搭載CPUはIntelの第14世代Core i7と記されており、現行の第13世代を搭載する既存モデルから順当に進化した構成と見てよい。現在は予約受付中の段階であり、正式な発売日は明かされていないものの、OEM各社がRTX 50シリーズを搭載した製品を相次いで準備している点を踏まえると、市場投入はそう遠くないと考えられる。

GDDR7搭載の可能性が示すRTX 5050の性能進化と用途の広がり

今回のリークで特に関心を集めているのが、エントリーモデルであるRTX 5050がGDDR7メモリを搭載する可能性である。これまでGDDR7は、より上位のGPU向けに導入されると見られていたが、8GBのGDDR7 VRAMをRTX 5050に搭載することで、エントリークラスでありながら高帯域メモリを活かした高速な描画性能が期待される。従来のGDDR6と比較して、GDDR7は最大で約10Gbps以上の転送速度向上が見込まれ、リアルタイムレンダリングや最新タイトルのプレイ時にも恩恵を受けやすい。

これが事実であれば、RTX 4050搭載機と比較しても、ノートPCでのグラフィック処理能力は一段と引き上げられる可能性がある。ただし、今回の情報は小売業者の事前公開によるものであり、製品版でも同仕様が維持されるかは不透明である。また、デスクトップ版RTX 5050ではGDDR6が引き続き採用されると見られており、ノート版との仕様差が生じることも否定できない。製品発表までにさらなる仕様変更が加えられる可能性にも注意を払う必要がある。

リリース時期と他社動向が示す市場投入のタイミング

報道によれば、RTX 5060は2025年5月中旬、上位モデルのRTX 5060 Ti(8GBおよび16GB)は4月中旬の登場が予定されているとされる。今回のASUS TUF Gaming F16の予約情報からも、これらのリリース時期に合わせてノートPC市場向けにも順次展開されていく可能性が高まってきた。これに加え、HPの最新モデル「OMEN 16L」にはすでにRTX 5060 Tiが搭載されているとの情報もあり、大手OEMが一斉に次世代GPUへの移行を進めている様子がうかがえる。

ただし、RTX 5050については発売時期に関する具体的な発表がなく、今回のリーク内容からも詳細なスケジュールは読み取れない。一方で、ASUSの製品ページにRTX 5050搭載機がすでに登場していることを踏まえると、RTX 5060のリリースと同時期、またはそれに近いタイミングでの投入となる可能性がある。現時点では推測の域を出ないが、複数メーカーが50シリーズ対応機種の準備を進めている状況から、早期の市場登場が視野に入ってきたと言えるだろう。

Source:Wccftech