MSI公式サイトに掲載されたマザーボードのVGA互換性リスト上で、未発表の「GeForce RTX 5080 24GB」バリエーションが発見された。RTX 5080は標準で16GBのVRAM構成とされており、24GB仕様の存在はこれまで確認されていなかった。
NVIDIAは原則としてメモリ構成を含めた仕様変更をパートナーに認めていないため、この情報の信ぴょう性や背景に対する関心が高まっている。MSIからの正式な発表はないものの、3GBのGDDR7メモリを用いれば技術的に24GB版の実現は可能とされており、将来的な上位モデルや特別仕様の可能性も否定できない。
MSIサイトに登場したRTX 5080 24GB記載の背景とは

MSI公式サイトに掲載されたX870 Tomahawk Wi-FiのVGA互換性リストに、「GeForce RTX 5080 24GB」という未発表バリエーションの記載が確認された。このリストにはRTX 5090やRTX 5070 Tiといった既知のRTX 50シリーズGPUが並んでいる一方、通常仕様とされる16GB版のRTX 5080は含まれていなかった。MSIからの公式発表はなく、この24GB版の記載が実在する製品を示すのか、それとも単なる誤記に過ぎないのかは不明である。
RTX 5080は256ビットのメモリインターフェースを備えており、16GBのGDDR7を搭載すると見られている。だが3GBモジュールを用いれば24GB構成も技術的には可能であり、実際に同様の構成はラップトップ向けRTX 5090で確認されている。ただし、ボードパートナーが独自にGPUのメモリ仕様を変更することは原則として許可されておらず、今回の記載が現実に即したものかどうかは、今後のMSIまたはNVIDIAの発表を待つ必要がある。
このような記載が表に出るケースは稀であり、リスト更新時の入力ミスとも考えられるが、仮に準備中の新モデルであるとすれば、今後のハイエンドGPU展開に何らかの変化が訪れる可能性もある。
RTX 5080 24GB仕様に見る実用性と用途の可能性
仮にGeForce RTX 5080の24GBバージョンが実在するとすれば、その大容量VRAMはゲーム用途では大きな恩恵をもたらすものではないと考えられる。現行のAAAタイトルで求められるVRAMは16GBでも十分とされており、24GBのスペックが生きるのは、主に高解像度のレンダリングやAIベースの処理、映像制作といったメモリ負荷の高い作業領域である。特に、8K解像度やリアルタイムレイトレーシングの同時処理など、プロフェッショナルユースにおける価値は無視できない。
実際に、中国市場ではGeForce RTX 4090の48GB版が存在しており、通常版と同等の価格で提供されている。このような背景からも、NVIDIAがメモリ拡張モデルを特定地域または限定用途向けに展開する事例はすでに存在している。RTX 5080 24GBも、広範な市場展開ではなく特定ニーズを満たすバリエーションとして計画されている可能性は拭えない。
ただし、これがMSI独自の動きであるならば、NVIDIAとの連携なしには量産化は困難である。あくまでテスト用や開発段階の記載であるという可能性も想定しておくべきである。ユーザーとしては、今後登場するかもしれない高VRAM構成に備え、自らの使用用途を見極めた上で注視する必要がある。
Source:Wccftech