ビットコインは1月の高値から29%以上下落後、3月に入って13%超の反発を見せたが、現在は8万4000ドル前後で膠着状態にある。著名アナリストのマルティネス氏は、チャート上に「カップ・アンド・ハンドル」パターンが出現した可能性を指摘するが、11万5000ドルの目標値には届かず、約11万ドルで失速している。

地政学リスクや金融市場の不透明感が仮想通貨市場にも波及し、明確なトレンド形成を妨げている。現在の水準を維持できるかが、9万ドル再挑戦への試金石となり、市場は方向感を模索している。

テクニカルパターンが示す上昇の可能性と限界

仮想通貨アナリストのアリ・マルティネス氏は、ビットコインの価格チャートに「カップ・アンド・ハンドル」パターンが現れていると指摘している。この古典的なテクニカル指標は通常、上昇継続を示唆するものであり、目標価格は約11万5000ドルとされていた。しかし、ビットコインはその手前の約11万ドル付近で足踏みし、現時点では明確なブレイクアウトに至っていない。

ビットコインは1月の高値から29%以上下落し、3月11日に7万6600ドルで底を打ったのち、13%以上の反発を記録した。現在は8万4000ドル前後で推移し、短期的な需給バランスの中で方向感を欠いている。さらに、4時間足チャートでは、200日移動平均線(MA)および指数平滑移動平均線(EMA)を突破できず、8万7300ドルが短期的な壁となっている。

カップ・アンド・ハンドルが有効であれば、現在の価格調整は一時的な停滞期であり、より大きな上昇局面の布石となり得る。ただし、このパターンが示す通りに相場が動く保証はなく、特に外部要因による影響を受けやすい仮想通貨市場においては、慎重な判断が求められる。マルティネス氏の分析は市場に希望を与える一方で、その成立条件が極めてデリケートであることも忘れてはならない。

マクロ経済と投資家心理がビットコイン相場の重石に

現在のビットコイン相場を取り巻く環境には、チャート分析を超えた複雑な要素が絡んでいる。特に、貿易戦争や地政学的リスク、金融市場の不安定さといったマクロ経済的要因が、市場参加者のリスク選好を冷やしている。株式市場のボラティリティが高まる中で、仮想通貨市場にも警戒感が波及し、ビットコインが明確な上昇トレンドを形成するのを阻んでいる。

2025年の幕開けとともに、多くの投資家は仮想通貨市場に対して楽観的な見通しを抱いていたが、年初来の価格変動と先行き不透明な世界経済の影響により、投資心理は分裂している。強気派は8万7000ドルを突破して9万ドルの回復を目指す一方で、弱気派は再び8万1000ドルを下回る展開を警戒している。こうした対立構造の中で、市場は方向感を失い、出来高も低調な状態が続いている。

現在の相場は、明確なファンダメンタルズ材料の欠如に加え、外部環境の不安定さが重なり、チャートパターンや短期的な反発だけでは流れを変えるには力不足である可能性がある。心理的な節目である9万ドルを越えられない限り、本格的な強気相場の回復は遠のくと考える投資家も少なくない。今後の数セッションは、単なる価格変動以上に、投資家心理の動向と市場全体のコンセンサス形成が試される局面となるだろう。

Source:Bitcoinist.com