暗号トレーダーのFlood氏が「イーサリアム(ETH)は無価値」との声が強まる中、短期反発後の空売りチャンスが到来すると指摘した。ETHは24時間で3.5%下落しつつも、取引量は185億ドルへと急増。アクティブアドレス数の増加やDeFiのTVL上昇からは関心の継続も読み取れる。
ETHは2,850ドルで推移し、50日移動平均を下回る一方、MACDでは弱気クロスが確認され、テクニカル面からも下降リスクが浮上している。相対的にはETH/BTCペアも下落し、ETHの弱さが際立つ中、今後の価格動向には分岐点が迫っている。
市場に広がる混在したセンチメントと短期反発の兆し

2025年3月24日時点で、イーサリアム(ETH)は2,850ドルで取引され、24時間で3.5%下落したが、取引量は185億ドルに急増した。この数値は短期的な売買が活発化していることを示し、特に2,800〜2,900ドルの価格帯に取引が集中している。Santimentの分析によれば、多くの保有者がETHを手放しておらず、市場には依然として一定の期待感が残されている。加えて、オンチェーンデータによるとアクティブアドレス数が1週間で7%増加しており、投資家の関心が冷め切っていないことが分かる。DeFi市場ではETHに連動するTVL(Total Value Locked)が850億ドルと1週間で2%増加しており、ETHが依然としてDeFiの中核資産として注目されている状況だ。
これらの指標は、ETHが短期的には反発の可能性を秘めていることを物語っている。ただし、同時にETH/BTCの取引ペアは0.057 BTCと前日比で1.2%下落し、ETHがビットコインに対して劣後している構図も明らかである。ビットコインが1.8%の上昇を記録したのとは対照的な動きだ。これによりETH単体の上昇には一定の抵抗が予想され、今後の値動きは市場心理の揺れに大きく左右されるとみられる。
テクニカル指標が示す弱気圧力と売買戦略の分岐点
ETHの50日移動平均は2,950ドル、200日移動平均は3,100ドルであり、現状の価格は両水準を下回って推移している。この構図は、依然として市場に下押し圧力が存在していることを示している。相対力指数(RSI)は45と中立的であるが、買われ過ぎや売られ過ぎのサインが出ていない分、方向感のない展開を警戒する必要がある。MACDでは弱気クロスオーバーが確認され、トレンド転換ではなく下落継続の可能性を示唆している。さらに、ボリンジャーバンドの収束はボラティリティの低下を表しており、大きな値動きが差し迫っている兆候と捉えられる。
著名トレーダーFlood氏はこのような状況下で「反発後の高値でショート構築が有効」との見解を示しており、3,000〜3,100ドルのレジスタンスを念頭に売りのチャンスを待つ動きが広がる可能性がある。一方で、現在の価格帯で反発を期待するロングポジションの構築も視野に入り、投資家の売買戦略は二分されている。市場が活況であることから、短期筋による両面戦略が強まりやすい局面であり、方向感が定まるまでは慎重なポジション調整が求められるだろう。
Source:Blockchain.News