Appleは、エントリーモデル「Apple Watch SE」の製造コストを抑える目的で、アルミニウムケースを硬質プラスチックに変更する案を検討していた。しかし、Bloombergの報道によれば、デザインチームとオペレーション部門の判断により、この素材変更は見送られたとされる。
具体的には、プラスチック製の外観がブランドイメージにそぐわず、また大幅なコスト削減にもつながらないとの理由が挙げられている。Appleは、エントリーモデル「Apple Watch SE」の製造コストを抑える目的で、アルミニウムケースを硬質プラスチックに変更する案を検討していた。
しかし、Bloombergの報道によれば、デザインチームとオペレーション部門の判断により、この素材変更は見送られたとされる。具体的には、プラスチック製の外観がブランドイメージにそぐわず、また大幅なコスト削減にもつながらないとの理由が挙げられている。
2013年のiPhone 5cの失敗例が示すように、高級感を損なう素材変更はブランドに悪影響を与える可能性がある。SEモデルでも金属製の外装が維持される判断は、価格と品質の両立を求める利用者層のニーズに即した選択といえる。
プラスチック製Apple Watch SE構想の経緯と撤回の理由

Appleは2024年7月、Apple Watch SEの外装素材をアルミニウムから硬質プラスチックへ変更する計画を検討していた。この動きは、製造コストの圧縮と価格引き下げによる市場拡大を目的としたものである。SEモデルはAppleの中でも価格を抑えた製品として位置づけられており、その競争力をさらに高める狙いがあった。
しかし、Bloombergのマーク・ガーマンによる報道では、Appleのデザインチームが「プラスチック製は美的に劣る」と判断し、さらにオペレーションチームが「素材変更によるコスト削減効果は限定的」と結論づけたことが明らかとなっている。これにより、Appleは構想そのものを棚上げする判断に至った。
過去には2013年のiPhone 5cでも同様の素材戦略が採られたが、金属やガラスに慣れたユーザーには受け入れられず、継続的な製品展開には至らなかった。今回のApple Watch SEにおける素材変更案の撤回も、その経験が少なからず影響していると考えられる。ブランド価値とデザイン性の維持が、短期的なコスト削減よりも重視された形だ。
ブランド価値と素材選定の関係性に見るAppleの長期戦略
Appleはこれまで一貫して、製品の素材と外観に高いこだわりを持ってきた。Apple Watchシリーズは初代から一貫して金属製ケースを採用しており、SEモデルでもその方針は崩されていない。これは単なる質感や耐久性の問題にとどまらず、ブランドが培ってきた高級感やユーザー体験と直結する要素である。
仮にAppleがプラスチック製のApple Watch SEをリリースしていた場合、短期的な価格競争力は高まる可能性があったが、製品全体の価値認識に負の影響を及ぼした可能性も否定できない。特に、Apple Watch SEを購入する層は、安価でありながらAppleらしい質感やデザインを期待しており、それが満たされなければブランドへの信頼低下につながるリスクがある。
Appleは過去のiPhone 5cの失敗から、素材選定の重要性とその影響の大きさを学んでいる。見た目と手触りという感性的な価値が、単なるスペック以上にユーザーの満足度を左右するという事実は、価格主導型の戦略に傾きがちな他社との差別化にもつながる。素材変更の見送りは、ブランドの本質を守るための妥当な判断である。
Source:9to5Mac