GPUレビューサイトHardware Unboxedは、AMDのRX 9070 XTとNvidiaのRTX 5070 Tiを対象に、1440pおよび4K解像度で計55本のゲームを用いた大規模比較を実施した。結果、両者の平均性能差はわずか5%にとどまり、RX 9070 XTは一部の人気タイトルにおいて顕著な優位を示した。

『Call of Duty Black Ops 6』で22%の差をつけた一方、『GTA5 Enhanced』などでは大きく劣後しており、ゲームごとに結果が大きく異なる点も明らかとなった。ただし価格面では、5070 Tiよりも150ドル安価であるRX 9070 XTが明確な競争力を持つと評価されている。

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AMDはFSR 4やレイトレーシング性能の改善にも注力しており、従来Nvidiaが独占していた分野でも差が縮まっている。特定タイトルでの最適化が進めば、5%の性能差はさらに縮小する可能性がある。


55本のゲームで示された実測値と特定タイトルにおける性能差

Hardware Unboxedが実施した55本のゲームタイトルによる検証では、RX 9070 XTとRTX 5070 Tiの性能差は平均で5%にとどまった。この数値は、従来AMDが公式に主張していた「わずか2%の差」よりも大きく、サードパーティによる客観的評価の重要性を浮き彫りにしている。特筆すべきは、RX 9070 XTが『Call of Duty Black Ops 6』で22%、『Warhammer 40,000: Space Marine 2』で17%と、特定の最新ゲームタイトルで顕著な優位を示した点である。

一方で、『GTA5 Enhanced』や『Gears 5』では29%および32%という大幅な劣勢も記録されており、ゲームごとの最適化やアーキテクチャの適応度が結果に強く影響していることがわかる。このような大規模な比較は、単一ベンチマークでは捉えきれないGPUの実力をあぶり出す材料となる。高解像度設定においても順位の傾向は変わらず、1440pおよび4Kで一貫したパフォーマンス差が確認されたことから、ゲームジャンルや描画負荷に応じた性能差の構造的要因が注目される。

価格と機能の観点から見るRX 9070 XTの市場戦略

RTX 5070 Tiに対し、RX 9070 XTは性能面で僅差ながらも価格で150ドルの差を持ち、そのコストパフォーマンスは無視できないものとなっている。両GPUが同程度の性能を発揮することが多数の検証で示された今、価格差は選択基準として極めて大きな意味を持つ。特に、MSRPに近い価格で入手可能な状況であれば、RX 9070 XTの競争優位は一段と際立つだろう。

さらに、AMDはFSR 4(FidelityFX Super Resolution 4)といったアップスケーリング技術や、かつてNvidiaの独壇場であったレイトレーシング性能の強化を進めており、機能面でも著しい進歩を遂げている。従来は画質や補完機能で妥協を強いられていたが、最新世代ではその必要が大きく軽減されたといえる。こうした背景から、ユーザーの購買判断はもはや「性能だけ」ではなく、総合的な価値提案に基づくものへと移行しつつある。

ドライバー最適化が握る性能差縮小の鍵

今回のベンチマークで示された平均5%の差は、あくまで現時点のドライバーベースでの結果である。AMDは過去にもソフトウェアの最適化によって特定タイトルの性能を大幅に引き上げてきた経緯があり、今後のアップデートでRX 9070 XTが苦戦したゲームにおける改善が期待される。とりわけ、『GTA5 Enhanced』や『Gears 5』といった不利な結果が出た旧世代タイトルにおいては、最適化の余地が大きいとされている。

加えて、FSR 4の進化による描画負荷の軽減や、ゲームエンジン側での対応拡充も、実効性能の底上げに繋がる可能性がある。ハードウェアのスペックだけでは語れないGPUの競争力は、こうしたソフト面での積み重ねによって形成される。ドライバーの成熟度はGPUの寿命と評価を左右する要素であり、今回の比較結果を一時的なスナップショットとして捉える視点も求められる。

Source:Hardware UnboxedNotebookCheck