Googleは2025年3月24日、Google Driveの正式版をArmアーキテクチャに基づくWindows PC向けにリリースした。これは、2024年11月に提供されたベータ版を経たもので、全世界への展開には最大15日を要する見込みだ。
Snapdragon X Eliteなどの高性能Armチップの普及とともに、モバイルとデスクトップの境界が曖昧になる中、主要クラウドサービスの対応はプラットフォームの信頼性を裏付ける動きとして注目される。
Googleに加え、Proton VPNやSignalもArm対応を進めており、開発者や消費者の関心が「Windows on Arm」に確実にシフトしつつあることを示している。
Google Drive正式対応が示すArm Windows環境の成熟

2025年3月24日にGoogle DriveがArm版Windowsへの正式対応を果たしたことで、これまで周辺的な位置にあったArm PCがいよいよ主流の選択肢として浮上してきた。
2024年11月のベータ版提供時には、動作保証の不確実性が一部の利用者から不安視されていたが、正式版リリースにより安定性と信頼性が確保される形となった。グローバル展開には最大15日を要するものの、企業ユーザーにとっては既に導入検討に値する水準に達しているといえる。
従来、Armアーキテクチャを採用したWindows PCは、省電力性や常時接続性に優れていた一方、主要アプリケーションの非対応が足かせとなっていた。Google Driveのような中核的クラウドサービスの正式対応は、この弱点を埋める象徴的な出来事である。
とりわけファイル同期や共同作業が不可欠な業務環境において、その意義は小さくない。Googleが示した「対応する価値のある市場」というメッセージは、他のソフトウェアベンダーにとっても明確なシグナルとなろう。
Snapdragon X Eliteと共に広がるArm時代の実用性
現在、Snapdragon 8 Eliteやその上位モデルであるSnapdragon X EliteといったArm系チップセットが台頭し、従来のx86系に匹敵する処理能力を実現し始めている。
これにより、これまでスマートフォンやタブレットの領域に限定されていたArmアーキテクチャが、ノートPCやハイブリッドデバイスといった業務用途にも拡大している。Copilot+ラップトップの登場も、こうした流れの中で生まれた一例である。
また、Quick ShareなどGoogleの他サービスもARM64に対応済みであり、クラウドからローカルまで一貫したエコシステムの形成が進んでいることが読み取れる。
さらに、Proton VPNやSignalなどのプライバシー志向のアプリが次々とArm環境への対応を進めている点は、セキュリティと性能を両立させた未来型PCの輪郭を鮮明にしている。Google Driveの正式対応は、この技術的地殻変動の中で重要な一石を投じたと言えるだろう。
GoogleとValveが示唆するソフトウェア対応の拡張可能性
GoogleによるArm Windowsへの対応は、クラウドサービスに留まらず、ソフトウェアエコシステム全体への波及を見込んだ布石と受け取られている。同様に、ValveもARM64サポートを模索しているとの報道があり、これはSteamOSとの関連性が指摘される一方、将来的にはWindows上でのゲームプレイ体験にも影響を与え得る可能性を孕む。
重要なのは、こうした企業の動きが単なる技術的対応ではなく、「Arm対応はビジネスとして成り立つか」という問いに対する肯定的な回答になっている点である。
とりわけ、x86ベースのレガシー資産が根強く残るソフトウェア分野において、Armへの最適化には開発コストや対応リソースの問題が常につきまとう。その中でGoogleやValveのような業界大手が相次いで対応を進めている事実は、プラットフォーム移行の現実味を強く裏付ける。
今後、クロス互換アプリの充実やエミュレーション技術の進化によって、Arm環境における制限はさらに薄まっていくと考えられる。Google Driveは、その変化の先陣を切る象徴的な存在であり、他社の戦略にも影響を及ぼしていくことは間違いない。
Source:Android Police