Microsoftは2025年3月、Windows 11向けMicrosoft Storeに対し150以上のクライアント側変更を実施したと発表した。
主任リードアーキテクトのRudy Huyn氏によれば、ユーザーフィードバックを基にテーマ閲覧用セクションの新設や、ダウンロード項目の独立表示、ゲームインストール時のコンポーネント選択機能などが導入された。
加えて、Copilot+ PC向けのAI Hubや新たなスポットライトモジュールを含む構造改革も進行中で、Tencentとの提携による新アプリ導入やGame Pass拡張なども明らかになった。
150項目超の刷新でMicrosoft Storeが示したユーザー起点の開発姿勢

Microsoft Storeは、2025年3月に発表されたアップデートで150を超えるクライアント側の改善を実施した。これらはすべて、ソーシャルメディア上のユーザー投稿を精査し、それを各スプリントの計画に反映させるというアプローチの中で行われた。Microsoft Storeの主任リードアーキテクトであるRudy Huyn氏は、X(旧Twitter)上でこの方針と変更内容の一部を公表している。
具体的には、従来の煩雑なレイアウトを見直し、テーマ専用ページを新設。加えて、「マイライブラリ」から独立したダウンロード表示や、非パッケージ型アプリの更新機能が加わった。さらに、ゲームインストール時に必要な構成を選べる仕組みも導入されたことは、従来のStoreを不便と感じていたゲーマー層からの意見を反映したものといえる。
フィードバック収集から反映、リリースまでの一連の流れを、開発の中核に据えたMicrosoftの姿勢は、従来の機能追加主導の開発からの脱却を意味している。こうした利用者本位の対応が、今後のアプリストアにおける競争環境にも影響を与える可能性は高い。
AI HubとTencent連携が映すMicrosoftのエコシステム拡張戦略
今回のアップデートにおける注目すべき要素の一つが、Copilot+ PC向けに新設されたAI Hubの導入である。これは最新のAI機能や対応アプリを一括で確認できる導線として設けられ、生成AIを軸とした今後のWindows体験の基盤として位置づけられている。また、ホーム画面には新たなスポットライトモジュールも搭載され、ナビゲーションや検索性の向上も図られた。
並行して発表されたのが、中国市場に向けたTencentとの提携である。これにより、Microsoft Storeでは数千点規模のアプリやゲームが新たに提供される。加えて、Game Passのカタログも強化され、RiotやBattle.netなど他ランチャーのゲームも同一プラットフォーム上で取り扱われるようになった。
このような展開は、Microsoftが単なるアプリ配信基盤ではなく、包括的なデジタル体験の中核としてStoreを再定義しようとしていることを示唆している。AIとコンテンツ、グローバル連携を軸としたStoreの再構築は、Windowsにおける競争力の再強化とも密接に結びついている。
Source:Windows Central