Microsoftは、人気レースゲーム「Asphalt 8: Airborne」の特定バージョンに起因する互換性問題の解消を受け、Windows 11 バージョン24H2への更新を阻んでいたブロック措置を解除した。
この制限は、更新後にゲームがクラッシュや応答停止を引き起こす可能性が指摘されたことを受けた予防策であり、安定性とユーザー体験の保護を目的としていた。
問題の修正が完了した現在、セーフガードホールド(ID: 52796746)は撤廃され、影響を受けていたユーザーも安心して最新バージョンへの更新が可能となっている。
更新ブロックの背景と解除に至る経緯

Microsoftが2024年にリリースしたWindows 11 バージョン24H2では、「Asphalt 8: Airborne」の特定バージョンにおいてゲーム動作中または終了時に応答が停止する不具合が確認されていた。
これを受けて、同社はセーフガードホールド(ID: 52796746)を発動し、影響を受ける構成に対して更新の提供を一時的に停止した。これは、システムの安定性確保とユーザー体験の毀損防止を目的とする措置であった。
Microsoftはこの期間中、ゲーム開発側と連携し問題の根本原因に対処。その結果、不具合は修正されたとされ、2025年3月までに当該ブロックは解除された。これにより、該当ゲームを使用するユーザーも例外なくWindows 11 24H2への更新が可能となった。更新解除後も、ゲーム利用中の安定性維持の観点から、システム更新前のバックアップは引き続き推奨されている。
本件は、エンターテインメント系アプリケーションがOS更新に及ぼす影響の具体例であり、ユーザー数の多いゲームがシステム全体の更新方針に影響する事実を裏付けるものといえる。
安定性優先の判断と今後の影響範囲
今回Microsoftが取った措置は、個別アプリの不具合がOS全体のアップデートを制限するという、きわめて慎重なアプローチであった。ビジネス用ソフトウェアではなく、モバイル由来のゲームアプリである「Asphalt 8: Airborne」が対象であった点は注目に値する。
ゲームによる安定性への影響がここまで重視され、更新ブロックに直結したことは、同社が多様なユーザー環境を精密に把握し、予測不能な動作リスクを抑えることを優先した結果と考えられる。
また、セーフガードホールドという仕組みは、更新適用の強制を避け、リスクが解消されるまで対象外とする柔軟な運用が特徴である。このような体制が整備されていることで、トラブル発生時の信頼性確保が可能になる。とりわけ一般消費者だけでなく、業務用端末においても想定外のアプリ干渉を回避できる点は、運用管理者にとっても重要な判断材料となる。
今後も、Microsoftが特定のアプリやドライバといった単位でピンポイントに制御を行うケースが増える可能性は否定できない。結果として、更新タイミングがより個別化・最適化されていくことが予想される。
Source:MSPoweruser