HONORは、Snapdragon 685を搭載した新型タブレット「Pad X9a」を正式発表した。エンタメ志向の設計が特徴で、11.5インチ・120Hz駆動のIPSディスプレイやクアッドスピーカー、200%音量ブースターなどを備える。OSにはAndroid 15ベースのMagicOS 9.0を採用し、8GB RAMと128GBストレージを内蔵。
8,300mAhの大容量バッテリーは35Wの急速充電に対応し、アクセサリとしてスタイラスやBluetoothキーボードも使用可能だ。厚さ6.77mm、重量475gの金属製ユニボディを採用し、マレーシア公式サイトで製品情報が公開されたが、価格は未定となっている。
11.5型・120Hz駆動のIPSディスプレイが示す新基準

HONOR Pad X9aに搭載された11.5インチのIPSディスプレイは、2508×1504ピクセルという高解像度と120Hzの高リフレッシュレートを兼ね備え、視覚体験における一段階上の基準を打ち出した。
特にコンテンツ消費を主軸としたタブレット市場では、滑らかな画面表示と鮮明な描写が求められる中、120Hz駆動は高価格帯製品に限られていた技術である。その仕様がエントリー層向けと位置付けられる製品に搭載された意味は小さくない。
また、最小輝度が2ニットという数値は、暗所における視認性と目への負荷軽減に資するものであり、長時間利用に配慮した設計思想がうかがえる。加えて、100%のsRGB色域への対応も公表されており、コンテンツ制作やビジュアル重視の用途にも一定の有用性を備える。
ディスプレイ設計の細部にまで目を向けたことで、タブレットの役割が単なる閲覧端末にとどまらず、より多機能な道具へと進化している潮流を象徴している。
Snapdragon 685とMagicOS 9が構成する処理性能の実力
Snapdragon 685は、最大2.8GHz駆動のオクタコア構成で、普段使いからマルチタスク、軽度なクリエイティブ用途まで幅広く対応可能な中堅チップセットである。Pad X9aではこのSoCに加え、8GBのメモリと128GBのストレージを標準搭載しており、同価格帯のタブレットと比較してもリソース面で優位性を持つ。
MagicOS 9.0はAndroid 15をベースとしており、UIやシステム最適化においてHONOR独自の設計が施されている。
加えて、MagicOSはマルチデバイス連携機能を備えているとされ、スマートフォンやPCとの相互運用性にも配慮した設計となる可能性がある。ユーザー体験において単体の性能だけでなく、周辺機器やサービスとの連動が評価基準となりつつある中、本機の立ち位置は明確である。
特にWi-Fi専用である点を踏まえると、より家庭内や教育現場などネットワーク環境が安定した領域への適用が想定される。
バッテリー設計と筐体仕様に見る利用環境への適応
Pad X9aは8,300mAhの大容量バッテリーを搭載し、35Wの急速充電に対応している。これにより長時間の連続使用と短時間での充電回復という両立を可能にしており、可搬型端末としての実用性を高めている。
特に教育用途やリモートワークにおいて、稼働時間の安定性は運用コストにも直結する要素である。また、重量475gという比較的軽量な筐体と厚さ6.77mmのスリム設計は、持ち運びや収納のしやすさにも寄与している。
外装には金属製ユニボディを採用しており、エントリーモデルながらも質感においては上位機に引けを取らない。この素材選定は耐久性と放熱性の両面からも利点を持ち、長期的な利用を前提とした設計といえる。
スタイラスペンやBluetoothキーボードへの対応も発表されており、単なる閲覧端末ではなく、入力作業や簡易的な文書作成など生産性用途への広がりも意識されている構成である。今後の価格発表が、こうした総合的価値に対する評価の焦点となる。
Source:NoypiGeeks