NVIDIAはGeForce RTX 5060 Tiを4月16日に発売し、レビューの公開と同日に販売を開始する見通しとなった。これは、購入前に評価を確認する時間が消費者に与えられない異例の販売方式である。
香港メディアHKEPCによれば、発売対象は8GBと16GBの2モデルで、レビュー解禁は香港時間で午後9時。なお、下位モデルのRTX 5060については、5月中旬の発売が見込まれている。
また、NVIDIAは各パートナー企業に対し、少なくとも1モデルを希望小売価格で提供するよう求めているが、実際には多くの製品がより高額で販売される可能性が高い。
RTX 5060 Tiはレビュー解禁と同時に販売開始 時間差ゼロの発売戦略がもたらす影響

NVIDIAがGeForce RTX 5060 Tiを4月16日に発売する方針を示しており、レビュー公開と販売開始を同日に設定する極めて異例のスケジュールとなる。レビュー解禁は香港時間で午後9時とされ、同時に各国の小売店でも販売が始まる見込みである。対象は8GBと16GBの2種類のモデルで、特に16GB版の価格や性能に注目が集まっている。
この戦略により、購入希望者が実際の製品レビューを吟味する猶予は事実上なくなり、即断即決が求められる構図が形成される。過去のRTXシリーズ同様、発売直後に在庫が枯渇し、再入荷待ちの長期化が懸念される。NVIDIAがレビューと販売の同時展開に踏み切る背景には、競合製品への牽制や価格競争の影響を回避する狙いが含まれている可能性がある。
一方で、冷静な購買判断を望むユーザーにとっては不利益となる展開でもある。レビューを経ずに購入が殺到する環境下では、誤った判断や過剰な期待が膨らむことが懸念され、市場の健全性に疑問符がつく場面もあるだろう。
RTX 5060は5月登場予定 価格と性能のバランスに注視集まる
RTX 5060 Tiに続き、NVIDIAは下位モデルのGeForce RTX 5060を5月に市場投入する見込みとされている。香港メディアHKEPCの報道では、5月15日または16日が発売日として有力視されており、Tiモデルとの時差は約1か月となる。RTX 5060は同時発表されるものの、販売開始は意図的にずらされる模様である。
この時間差には、ラインナップ全体の需要調整や、製品間の価格帯分離を明確にする目的が読み取れる。Tiモデルが先行して市場に投入されることで、上位モデルの評価や収益性を優先する意図が働いていると考えられる。また、RTX 5060はより多くのユーザー層を対象にしており、価格競争力のある戦略モデルと位置付けられている。
ただし、RTX 5060もレビューと発売時期がどのように調整されるかは不透明であり、Tiモデルと同様の即日展開となれば、再び消費者にとって選択の余地が狭まる展開が予想される。コストパフォーマンスに対する信頼性や在庫の安定供給が、今後の評価に大きく影響する可能性がある。
希望小売価格モデルの義務化が意味するもの パートナー各社の対応に注目
NVIDIAは今回の5060シリーズ展開において、AIB(Add-In Board)パートナー各社に対し、少なくとも1つのモデルを希望小売価格(MSRP)で提供するよう義務付けている。これは、ユーザー側の価格不信や転売リスクを緩和するための対策とみられるが、同時にパートナー各社の収益戦略との摩擦も生じ得る構造である。
実際には、MSRPモデルは最小限のベース仕様にとどまることが多く、主力となるのは冷却性能やクロック周波数を高めたOC(オーバークロック)版である傾向が強い。これらは当然ながら価格も引き上げられ、店頭やオンライン市場ではプレミアム価格での販売が主流となる可能性が高い。
このような構図は、価格帯が広範にわたることによるユーザーの選択肢の多様性を生み出す一方で、MSRPの存在が「名目上」の指標にとどまり、実際には手に入れにくい状況を招く懸念もある。NVIDIAの価格政策は、今後のGPU市場における価格透明性の在り方に一石を投じるものとなるだろう。
Source:Wccftech