MSI公式サイト上のマザーボード互換性リストに、未発表の「RTX 5080 24GB」モデルが記載されていたことがRedditユーザーにより発見された。現行のRTX 5080は16GBモデルのみが提供されており、今回の記載が事実であれば50%のメモリ増強にあたる。
GDDR7メモリの導入により、従来のGDDR6では不可能だった3GBモジュールの使用が可能となり、より高容量なGPU設計が現実味を帯びてきた。すでにNvidiaは複数の製品に3GB GDDR7を採用しており、技術的には24GB版も十分実現可能な構成とみられる。
なお、MSI側からは本件に関する正式な発表はなく、記載が誤情報である可能性もあるが、これまでの噂と一致する点も多く、ハイエンド志向のクリエイターやゲーマー層の期待が高まっている。
GDDR7の技術進化がもたらすGPU構成の自由度拡大

今回MSIの公式サイト上で確認されたRTX 5080 24GBの記載は、GDDR7メモリの導入による構成上の進化を象徴するものである。従来のGDDR6では2GBモジュールが上限であったが、GDDR7では3GBモジュールが利用可能となったことで、より少ないチップ数で大容量メモリを搭載できる環境が整いつつある。
Nvidiaはすでに、RTX 5090モバイルGPUやBlackwell世代のRTX 6000において3GBモジュールを用いた構成を実現しており、今回のRTX 5080 24GBに関しても同様の技術が採用された可能性は否定できない。
MAG X870 TOMAHAWKのCPU互換性リストという意外な形で登場した今回の記載は、製品開発段階での情報が誤って露出した事例とも読み取れる。また、これまで9月時点から出回っていた「RTX 5080の大容量版は後から登場する」という情報とも符合する点が多く、突発的な誤記というよりも準備中製品の存在を裏付ける材料ともなり得る。
MSIからの正式な発表はないものの、NvidiaがGDDR7ベースでのメモリ戦略を多様化させている流れを踏まえると、今後のラインアップ拡張に向けた布石として捉えることもできよう。
高性能GPUの用途多様化と市場ニーズの分化
RTX 5080 24GBモデルが実在するとすれば、その用途は単にゲーミングに留まらない。特にビデオ編集や3Dレンダリングといったメモリ集約型作業を日常的に行うユーザーにとって、24GBという大容量は明確な利点を持つ。
実際、コンテンツ制作の現場ではAI支援ツールや8K映像処理などが急速に一般化しつつあり、GPUに求められる性能要件も年々厳しさを増している。RTX 5080クラスのパフォーマンスに加え、大容量メモリを備える構成が求められる機運は確実に高まっている。
一方で、近年のゲーミング市場においても、高解像度テクスチャや重量級MODの需要が増しており、ゲーム用途でも16GBでは足りないと感じる場面が増えている。従来はプロ向けとされていた大容量モデルが、今やエンスージアスト層やストリーマーといった幅広い層にとって現実的な選択肢となりつつある。
MSIが誤ってこの製品情報を掲載したという可能性は残るものの、現実のユーザーニーズや競合製品とのバランスを考慮すれば、24GB版RTX 5080の投入は一定の合理性を持ち得る動きといえるだろう。
Source:OC3D