Samsungは新型モデルの予約開始と同時に、2024年製ViewFinity S8(32インチ)の価格を大幅に引き下げた。通常価格67,000円前後のこの4Kモニターが、現在は約45,000円で購入可能となっている。
本機はHDR10対応かつ10億7千万色を表示できる高精細ディスプレイを備え、特に写真・映像編集など精密な色表現を求める作業に適している。USB-C(90W給電対応)、DisplayPort、HDMI、USBハブ、LANポートなど拡張性も高く、KVMスイッチやピボット・スイーベル対応の可動スタンドも搭載。
10億色とHDR10対応で映像編集を支える高精細ディスプレイ性能

ViewFinity S8(2024年モデル)は、10億7千万色の表示に対応した4Kパネルを採用しており、細かな色の階調やニュアンスまで忠実に再現できる点が大きな特長だ。HDR10にも対応しており、明るい部分と暗い部分のコントラストがはっきりし、より自然かつ立体感のある映像表現が可能となる。これにより、写真や動画制作において色のズレを最小限に抑えた作業が期待できる。
また、32インチというサイズは複数のウィンドウを並べても作業領域に余裕があり、長時間の編集作業でも視認性が損なわれにくい。表示品質だけでなく、視覚的な作業効率を求める環境に適したサイズ構成といえる。ただし、最大リフレッシュレートは60Hzであるため、映像の滑らかさを重視するゲーミング用途では他の選択肢も視野に入れる必要がある。
コンテンツ制作や精密なグラフィック作業を主な用途とするならば、表示の忠実性を重視したこのモデルのパネル性能は、同価格帯のモニターと比較しても際立った強みとなり得るだろう。
USB-C充電やKVMスイッチなど多機能性で作業環境を一新
ViewFinity S8には、USB-C(90W給電対応)をはじめ、DisplayPort 1.2、HDMI 2.0、USBハブ3ポート、有線LANポート、さらにはKVMスイッチまで搭載されており、接続性の面でも極めて充実している。USB-CポートからはノートPCへの充電が可能なため、ケーブル1本で映像出力と給電を同時にこなすシンプルなデスク環境が実現できる。
KVMスイッチは、2台のPCを接続しながら1組のマウスとキーボードで操作できる機能で、例えば私用と業務用のPCを切り替えながら使うようなシーンで威力を発揮する。画面表示も分割表示やピクチャー・イン・ピクチャーなどに対応しており、マルチタスクの柔軟性は高い。
多機能な接続端子に加えて、画面の高さや角度、回転調整にも対応する人間工学的なスタンド設計も備わっており、長時間の使用を前提とした設計思想が感じられる。複数の機器を使い分ける環境では、これらの機能がストレス軽減につながる要素となりうる。
過去最安の約45,000円は狙い目か 新型登場による価格戦略の一環
今回の価格改定により、ViewFinity S8(32インチ/2024年モデル)は従来の約67,000円から約45,000円へと、約33%の値下げが実施された。これはSamsungが新たに2025年モデルの予約を開始したタイミングに重なるもので、在庫調整やラインアップ刷新の一環として旧モデルを大幅に値下げしたと見られる。
同価格帯でここまで高解像度かつ多機能なモニターは少なく、性能面から見ても今回のセール価格は注目に値する。特にUSB-C給電やKVMスイッチ、HDR10対応の4Kパネルといった仕様は、単なるディスプレイとしてでなく、ワークステーションの中心となり得る構成を持つ。新型にこだわらず実用性を重視するのであれば、このタイミングでの購入は検討の余地がある。
ただし、最新モデルが登場したことで、将来的なファームウェア更新やサポートの優先度が変わる可能性も否定できない。とはいえ、コストと機能のバランスを考慮すれば、この価格は非常に魅力的な水準といえるだろう。
Source:Neowin