サムスンは次期ソフトウェア「One UI 7」のティーザー動画を公開し、AI強化を前面に押し出した新機能群の存在を明かした。動画では、Geminiとの統合や「Now Brief」「Now Bar」などの新UI、スケッチ画像生成やAI検索などが紹介され、これまでで最も自然で直感的な体験を提供するとしている。

Galaxy S25シリーズが主な対象とされる一方で、S24やZシリーズなど既存のフラッグシップモデルにも安定版の展開が示唆された。地域ごとの配信スケジュールには揺らぎも見られるが、今回の映像からは「まもなく提供開始」という明確なメッセージが感じられる。

Galaxy AIが中核に One UI 7の新機能とGemini統合がもたらす変化

公開されたティーザー動画では、One UI 7が従来以上にAIを軸に設計されている点が明確になっている。「Now Brief」や「Now Bar」など、日常のスマートフォン操作を効率化するための新たなUIコンポーネントが導入され、ユーザーの意図を即座に反映するパーソナライズ機能が強化されることがうかがえる。中でも注目は、Googleの生成AI「Gemini」との連携であり、AIによる検索やスケッチからの画像生成といった高度な処理が、システムの一部として統合される点にある。

これにより、例えば手書きのラフイメージから即座に視覚的アウトプットを得る、あるいは文脈を加味した検索結果を得るといった、従来にない活用が可能になる可能性が示唆されている。こうしたAI駆動型機能が、直感的なインターフェースと融合することで、日常的な操作そのものが根本的に変わる兆しがある。AIが単なる補助ではなく、体験の中核に据えられつつあることが、One UI 7の最も大きな特徴といえるだろう。

フラッグシップだけではない 旧モデルにも広がるアップデートの可能性

Galaxy S25シリーズがOne UI 7の理想的なハードウェアとして強調されている一方で、S24、Z Flip 6、Z Fold 6といった先代モデルにも安定版が展開される兆しがある。これまでベータテストの対象に限られていたこれらの機種が、正式なソフトウェアアップデートを受けることで、ハードウェアの価値が再評価される展開となる可能性がある。最新機能を体験するには最新機種への買い替えが前提という流れに、一石を投じる動きと受け取れる。

もちろん、AI機能の一部はチップセットの制限やRAM容量などにより制約を受けることは避けられないだろう。それでも、旧モデルに対してもOne UI 7の中核的体験が届けられるのであれば、Galaxyシリーズ全体としての満足度は確実に底上げされる。数年使い続けている端末にも再び新鮮さをもたらすという意味で、こうしたアップデート展開は多くのユーザーにとって好意的に受け止められそうだ。

リリース時期に揺れも それでも漂う「まもなく登場」の確信

今回のティーザー公開に先立ち、サムスンは4月7日・10日・14日からの地域別リリース計画を発表していたが、その後10日の日程が米国向けの公式情報から削除され、スケジュールの不確定さが浮き彫りとなった。しかし、改めて公開された今回の映像には、「準備は整いつつある」といった空気感があり、開発や配信が大幅に遅れている印象は見受けられない。映像内での演出や言葉選びからも、正式リリースが近いというメッセージが込められているように感じられる。

ただし、動画が示す内容はあくまで「まもなく」であり、具体的な日付や機種ごとの詳細スケジュールは依然として不明なままである。今後の発表を待つ必要はあるが、今回の動きによってリリースの信憑性は一段と高まったといえるだろう。ソフトウェアの最終調整段階にあることを示唆するこのティーザーは、アップデートを待ち望む利用者にとって強い期待感を抱かせるタイミングとなった。

Source:Gizmochina