Googleが2025年3月に発表した新型Pixel 9aは、6.3インチのpOLEDディスプレイやTensor G4チップを搭載しながらも価格は499ドルからと手頃な設定となっている。対するPixel 9は、同じ画面サイズやSoCを備えつつも、RAMやカメラセンサー、ワイヤレス充電機能、筐体素材などあらゆる面で強化されており、価格は799ドルからと上位モデルに位置づけられる。

両機種は外観も酷似しているが、ガラス製の背面や薄型ベゼル、より明るく頑丈なディスプレイを採用したPixel 9の完成度は高い。実使用時のパフォーマンスやバッテリー持続時間にも影響を与えるモデムの世代差や、最大48MPの超広角カメラといった要素も見逃せない。

カメラ・ディスプレイ・素材に見るPixel 9の上位機種としての優位性

Pixel 9aとPixel 9は6.3インチのディスプレイサイズや解像度、リフレッシュレートが共通しているものの、保護ガラスや表示品質の細部に違いがある。Pixel 9aにはGorilla Glass 3が使われているのに対し、Pixel 9はより耐久性の高いGorilla Glass Victus 2を採用。加えて、ベゼル幅の違いにより、Pixel 9のほうがより洗練された印象を与える。外装素材においても、Pixel 9aがプラスチック背面なのに対し、Pixel 9はガラス製となっており、質感と高級感に差がある。

カメラ性能にも大きな隔たりがある。Pixel 9は50MPの広角カメラに加え、48MPの超広角カメラを搭載しており、センサーサイズも大きく、光の取り込みに優れる。一方のPixel 9aは48MPの広角と13MPの超広角で、視野角はわずかに狭い。特に暗所撮影やディテール描写において、Pixel 9のほうが高水準の仕上がりが期待できる構成である。これらの違いは、日々スマートフォンで写真を撮る機会の多い人にとっては無視できない要素となるだろう。

処理性能と通信安定性に差が出るメモリ構成とモデムの違い

どちらのモデルもGoogle Tensor G4チップを搭載しているが、搭載モデムに違いがある点が見逃せない。Pixel 9aは旧型のExynos 5300モデムを採用しており、Pixel 9はより新しいExynos 5400を搭載。これにより、接続の安定性やバッテリー効率においてPixel 9の方が優れる可能性があるとされている。実際、レビューではPixel 9が1日中安心して使えるスタミナを備えていると評価されており、通信面でも信頼性の高い選択肢となっている。

また、メモリ構成にも差がある。Pixel 9aは8GB RAM、Pixel 9は12GB RAM(LPDDR5X)を搭載しており、マルチタスクや負荷の高いアプリ操作においてPixel 9がより快適な動作を示すと考えられる。日常のブラウジングやSNS、動画視聴で差は感じにくいかもしれないが、複数アプリの同時起動やゲーム、動画編集などの重い作業を行う際には、明確な違いとなって現れるだろう。Pixel 9aは価格を抑えた分、必要最低限のパフォーマンスを確保しながらも、上位モデルとの差別化がなされている。

Source:Android Headlines