4月発売予定のGoogle Pixel 9aは499ドルと、Pixel 9より300ドル安い価格設定ながら、同じTensor G4チップを搭載し多くのAI機能に対応するとされている。しかし、Ars Technicaの報道によると、Pixel 9aでは搭載メモリが8GBに制限される影響で、上位モデルと同等のAI体験は提供されない。Gemini Nanoも最小構成のXXS版が採用され、画像解析を含む高度なAI機能は一部利用不可となる。「Call Notes」や「Pixel Screenshots」などの注目機能が制限される中、価格とのバランスをどう見るかが選択の鍵となりそうだ。
AI機能の非対応はRAMの差に起因 Gemini Nanoのモデル差も影響

Pixel 9aは上位モデルと同じTensor G4を搭載するが、搭載メモリは8GBにとどまる。この制約により、AI機能の要であるGemini Nanoは「1.0 XXS」バージョンが割り当てられる。このモデルはPixel 8と同等の軽量版で、テキスト処理に特化した構成となっている。対してPixel 9および9 Proはより高度な「Nano XS」を採用しており、画像や音声処理といった複合的なタスクに対応する。
具体的には、「Pixel Screenshots」や「Call Notes」など、画面や音声を解析して情報を生成するAI機能が9aでは利用できない。これらはGemini Nanoの軽量版では処理能力が不足するため除外された形だ。一方で、文字起こし後にAI要約を行う「Recorder」アプリのように、AI処理の範囲が限定的な機能については9aでも使用可能とされる。
価格と性能のバランスを重視したモデルである以上、すべてのAI機能をフルサポートするのは難しいという判断は理解できる。ただし、同じチップセットを備えながらも、RAMの差によって実質的な機能格差が生じている点は、気になるポイントとなる。
フラッグシップとの体験差が拡大するなかで注目すべきポイント
Pixel 9aは499ドルという価格に見合った高いコストパフォーマンスを打ち出しているが、AI機能における対応範囲の違いは、シリーズ間の体験格差をより明確にするものとなっている。とくに画像解析やリアルタイム音声認識といった、近年のスマートフォンの進化を象徴する機能群が非対応となる点は、用途次第では大きな制約となりうる。
現時点で判明している非対応機能は、Gemini Nanoを背景で常時稼働させるような処理を要するものに集中している。これは、8GBのRAM構成がAI処理の持続性や多様性を担保できないことを意味する。一方、基本的なAI体験やテキスト主体の機能には引き続き対応しており、すべてのAI機能が排除されたわけではない。
今後もAIがスマートフォン体験の中心となっていくと考えれば、搭載メモリとAI機能の関係はより重要な比較軸になる可能性がある。スペック表だけでは判断しにくい、実用面での差異が選択に影響する場面も増えそうだ。
Source:Lifehacker