暗号資産市場でビットコインの取引活動が著しく減退している。12月に1日あたり58,600BTCあった取引所流入量は、現在26,900BTCに落ち込み、54%の大幅減少を記録した。背景には、マクロ経済の不透明感とFRBの金融政策への見通しの分裂があり、市場は明確な方向性を欠いている。

ホットサプライもピーク時の5.9%から2.8%へと縮小し、投機的な動きの後退を浮き彫りにしている。このような動きは、機関投資家・個人双方の慎重姿勢を示しており、デジタル資産市場全体にリスク回避ムードが広がっていることを物語っている。

ホットサプライと取引所流入量の急減が示す市場構造の変化

暗号資産取引において短期的な資本の流動性を示す指標である「ホットサプライ」が、2024年12月の5.9%から現在は2.8%まで低下した。この指標は、1週間以内に移動したビットコインの割合を示すものであり、短期取引の活発度を測る重要な目安とされる。今回の数値は50%以上の減少を意味し、短期投機勢の撤退や、売買機会を狙う投資家の減少を物語っている。

また、取引所へのビットコイン流入量も同様に大幅に縮小しており、14日間の移動平均で12月の1日あたり58,600BTCから、26,900BTCへと54%減少した。これは、短期売買を目的とするコインの移動が鈍っていることを示し、流動性低下の動きと連動している。こうした動向は、単なる価格の停滞ではなく、暗号資産市場全体の取引インフラと需給構造そのものに変化が生じている兆候と解釈できる。

リスク資産に対する積極的な姿勢が後退している中で、価格変動の源となる資金供給が細り、市場は膠着状態にある。こうした低流動性環境では、小さな外部要因が価格に与える影響が相対的に大きくなり、意図しない変動のリスクが高まる。流動性の低下と取引活動の鈍化は、単なる一時的な現象として見過ごすべきではない。

マクロ経済の不透明感と金融政策の分裂が市場心理に与える影響

現在のビットコイン市場は、暗号資産独自のファンダメンタルズではなく、FRBの金融政策といったマクロ経済要因に強く影響されている。Bitfinex Alphaレポートによれば、ボラティリティの低下と流動性の縮小が進行しており、FRBがハト派なのかタカ派なのかについて市場が明確な方向性を見出せないことが、投資家心理の停滞を生んでいるという。

このような環境では、確信を持って資本を投入する行動は控えられがちであり、投資家は一様に慎重なスタンスを取っている。特に、2024年末のFOMC会合で見られたように、わずかな楽観的見通しが価格を4.2%押し上げるなど、マクロ政策に対する反応が過敏化していることが確認された。裏を返せば、これは市場が独自の成長ドライバーを欠き、外部環境の変化に依存していることを意味する。

市場参加者の間でリスク回避志向が高まるなか、短期的な材料やイベントへの過剰反応が常態化しており、結果として安定した上昇基調が築けない状況に陥っている。マクロ経済の不確実性が残る限り、こうした過敏な値動きと慎重な資金行動が続く可能性は否定できない。市場が次なるフェーズに進むには、経済政策や金利見通しに関する明確なシグナルの出現が必要不可欠といえる。

Source:CryptoSlate