Microsoftは、Microsoft 365の新規インストール時に「New Outlook for Windows」を標準で含める仕様に切り替えた。対象は2025年3月にリリースされたバージョン2502以降で、ユーザーは新旧両方のOutlookを並行利用できる構成が推奨されている。
これにより、Microsoft 365 Business StandardおよびPremium利用者には、段階的に新しいOutlookへの移行が進められ、必要に応じて旧バージョンへの切り替えも可能となる。一方、管理者は導入時にインストール対象を柔軟に選択でき、組織の運用方針に応じた対応が取れるようになっている。
突然のUI変更やワークフローへの影響を避けるための措置とされるが、今後の標準が「新Outlook」へ完全移行する可能性も否定できない。
新旧Outlookの並行インストールが標準に バージョン2502の仕様変更で混乱回避を狙う

Microsoftは、2025年3月にCurrent ChannelでリリースされたMicrosoft 365 Appsのバージョン2502から、新しいOutlookアプリをWindows版Microsoft 365の標準インストール対象に加えた。従来のOutlookと新Outlookの両方を同時にインストールできるように設計されており、ユーザーはトグル操作で自在に切り替えが可能である。新Outlookへの段階的な移行が進む中、突然のUI変更や操作性の違いに戸惑う利用者への配慮として、新旧併用を推奨する運用が採られている。
インストール設定は管理者側で細かく制御可能となっており、「新旧両方」「新Outlookのみ」「旧Outlookのみ」といった選択肢が用意されている点が注目される。また、アプリ内通知によって移行の時期や切替方法が事前に伝えられるため、業務中の不意な仕様変更による作業の混乱も抑えられる仕組みとなっている。こうした措置は、既存のワークフローを崩さずに新Outlookへと自然に慣れていくための橋渡しとして機能している。
トグルで即時切り替えも可能 Outlook刷新で求められる「柔軟な移行体験」
新しいOutlook for Windowsは、既存ユーザーへの移行においてトグルスイッチによる即時の戻し操作を可能にしている。Microsoft 365 Business StandardおよびPremiumのCurrent Channel利用者には、2025年1月から順次アプリ内通知が届き、段階的に新Outlookへの自動切替が実施される。だが、この切替は一方的な強制ではなく、ユーザーやIT管理者が移行前に設定変更でオプトアウトすることも可能となっており、十分な選択の余地が確保されている。
こうした柔軟な移行モデルは、過去のUI刷新で混乱を経験したユーザーにとって安心材料となる。一方で、実際に新Outlookを使ってみると、従来のアドインやカスタム設定との互換性が異なる可能性もあり、導入初期には慎重な検証が求められる場面もあると考えられる。移行の自由度は高いが、トグル機能や事前通知だけでなく、移行後の使い勝手や互換性検証も今後の利用継続を左右する要素になりそうだ。
Source:Neowin