Meta QuestのOS「Horizon OS」バージョン76のコード内に、「share(共有)」および「unshare(共有解除)」といった新たな文言が発見された。これにより、単一の2Dウィンドウを他ユーザーと共有できる機能が将来的に追加される可能性が浮上している。
コードを解析したのは、XでVR情報を発信するユーザー「Luna」で、彼は「他のユーザーがあなたの世界でパネルを見ることができる」と記載されたツールチップに着目。UploadVRはこの機能がAppleのSharePlayに似た体験を提供するのではないかと分析している。
Horizon OSに埋め込まれた「share」機能のコードが示す新機能の輪郭

Meta QuestのオペレーティングシステムであるHorizon OSのバージョン76から、「share(共有)」および「unshare(共有解除)」という新たな記述が発見された。VR関連の情報を発信するXユーザー「Luna」が確認したこのコードには、「他のユーザーがあなたの世界でパネルを見ることができるように共有します」との具体的なツールチップテキストが含まれており、明確に単一ウィンドウの共有を意図しているように見える。
この新機能は、既存のVR映像共有とは異なり、特定の2Dアプリやブラウザなどのウィンドウを、ユーザー同士で仮想空間内に表示して共有できる仕組みである可能性がある。UploadVRによると、従来の一人称映像やミックスドリアリティ映像の共有とは異なる次元の体験が期待されている。
Meta側からの公式発表やコメントは現時点でないが、OS内部に直接組み込まれているコードであることから、内部テストまたは準備段階にあることは確かといえる。単なるUI文言ではなく、機能実装に向けた具体的な開発の一端が垣間見える内容である。
AppleのSharePlayに近い体験か 比較から見えるMetaの方向性
今回確認された「単一ウィンドウの共有」機能は、AppleがVisionOSで提供しているSharePlayと重なる点が多い。Luna自身もこの機能をSharePlayに例えており、実際にApple TV+やHulu、Maxなどのアプリが対応するSharePlayでは、同じ映像コンテンツを複数人が同時に視聴することができる。仮にMeta Questでも同様の操作性と共有体験が実現されれば、VR内での協働や娯楽の幅が一気に広がる可能性がある。
現在、Meta QuestではYouTube VRによる同時視聴や、VR空間におけるライブ体験の共有は可能であるが、個別の2Dアプリやドキュメントを他者に見せながら会話するような機能は提供されていない。そうした中で、特定のウィンドウを選び、仮想空間に浮かぶパネルとして他者と共有できるなら、用途はエンタメだけでなく、作業支援や学習にも広がる。
ただし、Appleとは異なり、Meta Questでは対応アプリやOSとの連携に課題がある可能性も残る。実装されたとしても、アプリ側が機能対応しない限り十分な体験にはつながらない。実用化される場合には、具体的なアプリ対応範囲とUIの直感性が重要な分かれ目になると考えられる。
Source:The Verge