MicrosoftのSurface Laptop(第7世代)に「頻繁に返品される商品」の警告がAmazonで表示されていることが明らかになった。Snapdragon X Eliteを搭載した同モデルは、高速性や省電力性で注目されていたが、アプリの互換性不足や誤購入といった理由で返品が相次いでいるとの指摘がある。
Snapdragon搭載Surfaceに返品集中 Amazonが表示した警告の背景

Surface Laptop(第7世代)がAmazon上で「頻繁に返品される商品」と警告表示されたことは異例の対応であり、製品の信頼性や実用性に関して疑問符が付いている。Snapdragon X Eliteプロセッサを搭載し、高速性やバッテリー持続時間の長さを売りにしたこの機種は、Windows-on-Armを牽引する存在として登場したが、互換性の壁がその期待に水を差している。レビューではアプリが動作しない、あるいはそもそもアプリが存在しないといった声が目立ち、日常用途においてもストレスが生じていることがわかる。
Intelの暫定共同CEOであるMichelle Johnston Holthaus氏が「普通に期待される機能が動作しない」と述べたように、特定のアプリケーション環境ではSnapdragon搭載PCが思うように機能しないケースがあるとされる。加えて、MicrosoftがIntel版とArm版を並行して展開していることが混乱を招き、購入者が誤ってArm版を選ぶケースも返品の一因と見られる。Amazonの警告表示は2年前に導入された機能だが、出品者の間では売上に深刻な影響を与える存在として認識されており、その表示がSurface Laptopに適用されたという事実は、Arm版Windowsへの信頼がまだ十分に形成されていない証左とも言える。
互換性と使用感のギャップが明らかに アプリ不足が招くFrustration
Amazonレビューを中心に表面化している不満の多くは、「互換性」や「アプリが存在しない」ことに起因している。Windows-on-Armは依然として開発途上であり、主要アプリの移植が進んでいるとはいえ、PhotoshopやLightroomのように対応が完了したソフトは限られている。After EffectsやAutoCADなど、多くのクリエイティブ・業務用途のソフトは未対応であり、専門的な作業を行うには厳しい現状がある。
また、ゲームに関しても、『Control』や『Baldur’s Gate III』などが動作する例はあるものの、パフォーマンスは期待を下回るという指摘があり、特にGPU性能に関しては不満が出やすい。Laptop Magが指摘した「ゴーストの強いディスプレイ」や「浅く手応えの薄いキーボード」、「物足りないグラフィック性能」といったハード面の問題も相まって、全体の完成度にはまだ改善の余地がある。Amazonの返品ラベルは、こうした使用上の細かな不満が蓄積された結果であり、スペック表だけでは見抜けない実体験のギャップを浮き彫りにしている。
乗り換えのタイミングに注意 x86との選択が分かれ道に
Windows-on-Armの進化は確実に進んでおり、AdobeやGoogleなど主要サービス提供者がネイティブ対応を拡大しつつある。2025年3月にはGoogle DriveがArm版Windowsに対応し、今後もCreative Cloudの追加対応が予告されている。しかし、すべての環境が即座に切り替えられるわけではなく、Arm版に踏み切るかどうかの判断は用途とニーズに強く左右される。
特に、クリエイティブやエンジニアリング分野で定番のソフトが使えない、もしくはエミュレーションでの動作に難があるという現状では、作業効率や安定性を重視する場合、x86環境にとどまるほうが現実的である。Snapdragon Xシリーズの第2世代が2025年中に登場予定であり、ComputexやSnapdragon Summitでの発表が期待されるが、それを待ってからの判断でも遅くはない。現在のWindows-on-Armは、将来性は感じられるが、全ての人にとって最適な選択とは言い切れない段階にある。ユーザーの使用スタイルとアプリの対応状況を見極めたうえで、慎重な乗り換え判断が求められる。
Source:Laptop Mag