TikTokの米国での禁止措置に関連し、AppleとGoogleは最大で8,500億ドル(約85兆円)規模の法的責任を問われる可能性があると報じられた。これは、同アプリを自社ストアで提供し続けることが米国法に違反するとされているためであり、クラウドサービスを提供するOracleも同様のリスクを抱える。

これに対し、上院議員3名はトランプ前大統領に対し、3月28日までに明確な説明または対策の提示を求める書簡を送付。議員らはTikTokの全面禁止に反対し、米国内での事業売却による解決を模索している。

ByteDanceはアルゴリズムの分離が困難であると主張し続けており、売却実現には時間を要する可能性がある。最終期限である4月5日までの米政府の動きが、各社の対応に大きく影響を及ぼすこととなりそうだ。

AppleとGoogleに突きつけられた8,500億ドルの潜在的責任

TikTok禁止措置をめぐり、AppleおよびGoogleが直面するのは単なるアプリ提供停止の判断ではない。米国当局によると、両社がアプリストア上でTikTokの提供を継続すれば、現行法違反として将来的に制裁の対象となる可能性があるという。とりわけ、法的責任の規模は最大8,500億ドルとされ、その影響は株主やユーザー基盤のみならず、両社の国際事業戦略にも波及するおそれがある。

加えて、TikTokのクラウドインフラを担っているOracleも精査の対象となっており、単なるプラットフォーム企業にとどまらず、関連インフラ全体が今後の法的議論の俎上に載ることは確実である。こうした情勢の中で、米司法省は暫定的に法律の適用を猶予するとしたが、その保証には期限や安定性が明示されておらず、企業側のリスク回避策を困難にしている。

このような不透明な状況が続けば、IT企業側がリスクを回避するために自主的にTikTok提供を停止する動きも排除できず、それにより米国のデジタルコンテンツ市場に新たな地殻変動が生じる可能性も否定できない。テクノロジー企業にとっては、法的判断と政治的駆け引きの狭間で難解なバランスを迫られる局面にある。

TikTok売却交渉とアルゴリズム分離問題の複雑性

米議会は全面禁止に代わる手段として、TikTokの米国事業売却による解決を模索している。エドワード・J・マーキー、クリス・ヴァン・ホーレン、コリー・ブッカー各上院議員は、トランプ前大統領に対し、売却問題の進展状況について3月28日までに明確な説明を求めている。

彼らは、1,700万人の米国ユーザーと700万人のコンテンツ制作者の影響を考慮し、アクセス維持の必要性を強調している。しかし、ByteDanceは自社アルゴリズムの分割について技術的困難を繰り返し主張しており、仮に売却が実現したとしても、実運用までに数年単位の時間を要する見通しがある。

アルゴリズムはTikTokの中核的価値であり、その移管なくしては買収企業側が期待する商業的成果は見込めないという構造的課題が存在する。米国企業による買収の噂も一部で浮上しているが、現時点では確たる進展は見られない。

さらに、TikTok側と米政府の交渉は表面的には進展しているように見えても、実質的な交渉力はアルゴリズムを握るByteDanceに残されている。4月5日の売却期限が迫る中、時間的猶予の少なさと技術的困難性が問題解決の障壁となっている構図は揺らいでいない。

Source:GSMArena