アーク・ファンドを率いるキャシー・ウッド氏が、約1年ぶりにメタ・プラットフォームズ株を売却した。3月17日から20日にかけて計22,116株を手放し、現金化した額はおよそ1,600万ドルにのぼる。売却は、トランプ前大統領の関税発言を受けた市場の動揺や、景気減速への懸念が強まる中での決断とみられる。

メタの株価は2月中旬の高値から16%下落していたが、同社の業績は堅調であり、第4四半期には利益・売上ともに市場予想を上回った。バンク・オブ・アメリカは依然として同社を高く評価し、AIモデル「Llama」の成長性を理由に目標株価を765ドルに設定している。

メタは現在時価総額1.57兆ドルを誇り、「マグニフィセント7」の一角としてその存在感を維持している。広告事業の強さとAI分野での優位性が、先行き不透明な市場においても投資家の注目を集めている。

約1年ぶりのメタ株売却 アーク・ファンドが動いた理由

キャシー・ウッド氏率いるアーク・ファンドは、3月17日から20日の間にメタ・プラットフォームズの株式22,116株を売却し、1,600万ドル前後の資金を現金化した。これはウッド氏がメタ株を手放すのは約1年ぶりとなり、その動きは市場関係者の注目を集めている。売却のタイミングは、2月14日の高値からメタ株が16%下落した後にあたり、市場の不安定さが一因と見られる。特にトランプ前大統領の関税に関する発言が波紋を呼び、景気の先行きやインフレ圧力への警戒感が高まっていた時期である。

一方で、売却にもかかわらずメタの業績は依然堅調である。第4四半期には、1株当たり利益8.02ドル、売上高484億ドルを記録し、いずれもアナリスト予想を上回った。広告部門の収益力がこの結果を支えており、業績自体に陰りは見られない。つまり、今回の売却は企業の成績に対する否定ではなく、外部環境の変動を考慮した資産配分の調整とみるのが妥当である。

加えて、アークが他の巨大テック株を売却していない点からも、メタ固有の要因ではなく、市場全体への警戒感が強まった結果であると考えられる。短期的な調整を経た後の動きにこそ、今後の運用方針の示唆が現れる可能性がある。

 

メタのAI戦略と広告事業の融合がもたらす持続的競争力

メタ・プラットフォームズの強さの根幹は、単なる広告収益の拡大にとどまらず、AI技術との融合にある。バンク・オブ・アメリカのジャスティン・ポスト氏は3月24日のレポートで、メタのAIモデル「Llama」に注目し、同社に対して引き続き「買い」評価を維持すると表明した。このモデルは既に月間アクティブユーザー数が7億人を超えており、2025年の広告市場の不確実性を吸収し得る基盤として評価されている。

さらに、ポスト氏は目標株価を765ドルに設定しており、AIを成長ドライバーとする明確な展望を提示した。Metaが保有するFacebook、Instagram、WhatsAppといった巨大なプラットフォーム群は、AIによる個別最適化広告配信を可能とし、広告のROIを高めている。これにより、広告主にとっての魅力は高まり、広告収益の持続的な拡大を実現している。

ただし、AIの成長は規制や競合との関係性に左右される面も大きい。オープンAIなど他社の動向も視野に入れなければならず、競争環境は引き続き流動的である。それでも、AIと広告の相乗効果という点において、メタは他の巨大テック企業と比較しても一歩先を進んでいる印象がある。市場環境の回復があれば、この優位性は一層鮮明になるだろう。

Source:Wall Street Pit