Samsungが米国でGalaxy Z Fold 6およびZ Flip 6向けにOne UI 7 Beta 3を展開し、Galaxy S25シリーズに搭載された6つの新機能を先行提供した。アップデートの容量は1.25GB超で、通話録音のテキスト化やWebページの自動要約、動画の雑音除去機能など、AIを活用した実用性重視の改善が目立つ。

さらに、BixbyやGeminiを呼び出せるサイドボタン起動や、設定内での自然言語検索、カスタムステッカー作成といった使い勝手を高める新要素も加わった。複数のバグ修正と2025年4月のセキュリティパッチも含まれており、フォルダブル端末の体験を一段と引き上げる内容となっている。

なお、韓国ではAIスパムフィルターの導入も計画されており、S25から旧機種へと段階的に広がる見通しである。

Galaxy S25の機能をZ Fold 6とFlip 6が先行搭載 ベータ3で見えた次世代UIの輪郭

今回のOne UI 7 Beta 3は、Z Fold 6とFlip 6というフォルダブル端末に対して、Galaxy S25の6つの先進機能を先行で実装するという大胆な展開となった。特に、通話録音を自動で文字に変換する機能は、録音内容を目で確認できるという点で、ビジネス用途にも役立つ可能性を感じさせる。さらに、風や雑音を抑えるAudio Eraser機能は、動画撮影時の音質向上に直結し、SNS投稿やVlog制作などにおいても高い実用性が見込まれる。

Webページの要約表示や、設定内での自然言語検索といった機能は、日常的な操作の手間を軽減し、スマートフォンとの関わり方をより直感的なものへと変える。こうしたUI体験の変化は、フォルダブル端末という新しいフォームファクターとの親和性が高く、特にZ Fold 6のような大画面デバイスでは恩恵が大きい。今後、これらの機能が他の機種にも波及していくことで、SamsungのUI設計全体に新しい基準が築かれる可能性もある。

Samsungが韓国向けに準備中のAIスパムフィルターが示す通信体験の進化

Samsungは、韓国国内向けにAIベースのスパムフィルターを導入する計画を進めている。この機能は、KISA(韓国インターネット・セキュリティ機関)と共同で開発され、違法なローン勧誘や成人向けコンテンツ、ギャンブルなどの悪質なメッセージをブロックすることを目的としている。Android 15に対応したOne UI 7から導入され、まずGalaxy S25シリーズに適用されるとの情報が示されている。

スパム対策は従来も存在していたが、AIの活用により検出精度が大幅に向上することが期待される。特に、危険なURLの判別や電話番号のパターン認識など、動的に変化するスパム手法に柔軟に対応できる点は、従来のブラックリスト型と比較して大きな前進である。今後、これがグローバルモデルにも展開された場合、スマートフォンを取り巻くリスク管理のあり方が変わっていく可能性がある。ただし、地域による法制度や通信環境の違いもあるため、グローバルでの展開は慎重に見極められる必要があるだろう。

正式版リリースに揺れる日程 Samsungニュースルームの掲載削除が呼んだ混乱

One UI 7の正式リリースをめぐって、Samsungのニュースルームで日付が一時削除された件は、アップデートの配信スケジュールに対する不安を呼び起こした。当初、アメリカ公式サイトで4月7日とされていたリリース日が突如消え、代わってオーストラリア版に日付のない記事が掲載された経緯がある。この動きは、配信準備の遅れや調整の可能性をにおわせ、多くの関心を集めた。

その後、アメリカのニュースルームにて再び4月7日という日付が明記されたことで、正式リリースはこのスケジュール通りに進む見込みが強まったが、S24シリーズが4月10日からアメリカで配信されるという点も含め、日付の差異や情報更新の過程が透明性に欠けた印象は否めない。こうした情報の不確実さは、アップデートを待つ側にとっては混乱の原因となりやすく、特に複数のベータが並行して進行する中では、明確なガイドラインの提示が求められる。Samsungにとっては、ユーザーとの信頼構築において、情報発信の精度がより重要となる局面である。

Source:Sammy Fans