マイクロソフトが現在取り組んでいるのは、Windows 12ではなく、Windows 11の後継ビルド「25H2」である可能性が高い。Windows Centralによれば、同社はSnapdragon X2向けのプラットフォーム適応を進めており、Armベース環境での最適化が狙いとされる。

現行のWindows 11と同様、25H2も「ドイツニウム」基盤に基づく可能性があり、これは安定性と互換性を重視した継続的な設計方針と見られる。新OSへの移行よりも堅実な性能改善が優先されている。

Insider Devチャネルでのテストも進行中で、リリースは年内と予想されるが、ユーザーへの影響は当面限定的と考えられる。

「Windows 11 25H2」はドイツニウム基盤での継続強化か

Windows Centralの報道によれば、マイクロソフトは次期ビルド「Windows 11 25H2」の開発を進めており、その根幹をなすのは「ドイツニウム」と呼ばれる既存のプラットフォームリリースであるとされている。

ドイツニウムは現行のWindows 11にも採用されており、既に一定の安定性とパフォーマンス改善が確認されている。加えて、Armアーキテクチャ向けの最適化が中心となっていることから、x86系環境との一体運用を見据えた後方互換性も重視されていることがうかがえる。

マイクロソフトは2024年後半のリリースに向け、Insider Devチャネルを通じて段階的に新機能のテストを実施しているが、同時にWindows 12といった全く新しいOS開発に舵を切る兆候は見られない。

この背景には、Snapdragon X2の登場によって再燃したArm対応の重要性があり、特に企業向けデバイスとの親和性向上を優先している構図があると考えられる。短期的には劇的な変革を避け、堅実な技術基盤の蓄積に注力する意図が明確となっている。

Snapdragon X2と後方互換性に見る戦略的焦点の変化

報道によれば、マイクロソフトはクアルコムの次世代プロセッサ「Snapdragon X2」への対応を強化するため、既存プラットフォームとの後方互換性の確保を進めているという。この動きは単なる新チップ対応にとどまらず、Windows OS全体の柔軟性と将来性を見据えた設計変更の一環と見ることができる。

Snapdragon X2がもたらす性能向上に対して、ドイツニウム基盤での調整にとどめる点に、マイクロソフトの保守的なアプローチがにじむ。

一方で、プラットフォームの切り替えはユーザー体験に混乱を招きかねないという懸念も根強く、ドイツニウムの継続使用は、そうしたリスク回避策としても妥当である可能性がある。

Windows 11の改良版という位置づけで25H2を構築することで、既存ユーザーへの影響を最小限に抑えながら、Arm対応やセキュリティ強化といった中核テーマへの取り組みを加速する狙いが見える。刷新よりも安定運用に重きを置いた現在の方針が、今後のOS戦略にどのように作用するかが注目される。

Source:Digital Trends