2024年12月に登場したIntel Arc B580が、Nvidia RTX 4060に対し価格、仕様、性能の各面で優位性を示した。価格は約250ドルとRTX 4060よりも50ドル安価で、12GBのVRAMや192ビットのメモリバス幅など、スペック面でも明確な差をつける。
ベンチマークでは3DMarkやAdobe Premiereなど複数の実用テストで高得点を記録し、特に1440pゲーム性能では複雑なタイトルでも安定したフレームレートを維持した点が注目される。
RTX 5060の発表が依然ないなか、B580は現時点での価格対性能比における最適解の一つとして、主流GPU市場における勢力図を塗り替える可能性がある。
Arc B580の優位性を裏付ける仕様と実測値の差異

Intel Arc B580は、2024年12月の発売以降、コストパフォーマンスの高いGPUとして注目を集めている。最大の特長は、12GBのGDDR6メモリと192ビットのメモリバス幅を備えた点にある。
これは、8GB・128ビット構成のNvidia RTX 4060と比較して、明確に帯域幅に優れ、実効的な処理速度で優位に立つ設計となっている。また、3DMarkベンチマークにおけるNight RaidスコアでB580は153,083を記録し、RTX 4060の134,628を大きく上回った。
さらに、Fire StrikeではB580が35,780、RTX 4060が28,313と大差がついており、同価格帯とは思えぬ性能差を示している。これらの数値は設計上の理論性能ではなく、実地での評価に基づいており、机上のスペックに留まらない強さを証明する。また、TDPはB580が190W、RTX 4060が115Wと大きな差があり、冷却設計や電源構成には注意が必要だが、これはパフォーマンスを押し上げる要因でもある。
このように、単なるスペック比較にとどまらず、ゲームやコンテンツ制作における実動作でも高い安定性と処理能力を示すB580は、安価な構成でのパフォーマンス重視の用途において有力な選択肢といえる。
RTX 4060の実績とB580の挑戦に見る市場構造の変化
RTX 4060は2023年6月の発売以来、NvidiaのミドルレンジGPUとして広範な信頼を獲得してきた。特にドライバの安定性とゲーム対応性、そしてコンテンツ制作におけるソフトウェア最適化など、長年培ってきたエコシステムの強みは未だに健在である。
Cyberpunk 2077では69fps、Dying Light 2では69fpsと、1440p環境において一定のフレームレートを保ち、制作系ベンチマークでもAdobe Premiereで10,360点と高得点を記録している。
一方で、Intel Arc B580の出現は、この既存の優位性を脅かす現象として捉えられる。特に価格帯が250ドルと競争力を持つことに加え、Handbrakeでの平均フレームレートが226fpsというスコアは、RTX 4060の212fpsを上回っており、動画変換やストリーミング編集における新たな選択肢となりうる。
市場はこれまでNvidiaとAMDの二強構造で成り立ってきたが、Intelが本格的に競争に加わることで、GPUの価格と性能バランスに再編の兆しが見えつつある。
Intelが今後もArcシリーズを強化し続ければ、GPU市場はより複雑化し、ユーザーにとっては選択肢が広がると同時に、従来のブランド価値だけに依存した選定は難しくなる可能性がある。
Source:TechRadar