AppleのM4チップを搭載した新型MacBook AirとiPad Proが登場し、ユーザーの間で選択の判断が難しくなっている。価格と性能のバランスでは、アクセサリ不要で即使用可能なMacBook Airが優位に立ち、iPad ProはApple Pencil Proとの連携でクリエイティブ用途に強みを見せる。

OSによる制約も明確で、macOSの柔軟性とアプリ互換性はiPadOSを上回る。携帯性やスタイラス重視のワークフローではiPad Proに軍配が上がるが、長時間使用やマルチタスクにはMacBook Airが向いており、使用目的が選択の鍵を握る。

M4チップ搭載機に見る性能と価格の分岐点

M4を搭載したMacBook AirとiPad Proは、同じプロセッサを共有しながらも、その提供価値と価格構成に大きな差が見られる。MacBook Airは1,099ドルからの価格設定で、購入後すぐに作業が可能な完全なノートブック体験を提供する。

一方、iPad Proは999ドルから開始されるが、実際に効率的な作業環境を構築するためには、Magic KeyboardやApple Pencil Proといった周辺機器の追加が不可欠であり、総額は1,400ドルを超えるケースが多い。

この価格差は、パフォーマンスの実質的な差異によって正当化されるものではない。むしろ、コストパフォーマンスの観点では、デフォルトでフル機能を備えるMacBook Airの優位性が際立つ。

さらに、旧モデルであるM3 MacBook Airも依然として現役の選択肢であり、日常的な作業に対して十分な性能を持つ。対してM2 iPad Proは、外観こそ似ていても、性能面や長期的利用の視点からは後れを取る。

結果として、性能面での優劣よりも、付加機器を必要としない一体型の完成度が、MacBook Airをより実用的かつ費用対効果の高い選択肢として位置づけている。アーティストやタブレット特化の作業環境を必要としない限り、iPad Proの価格構成は多くの利用者にとって過剰となる可能性が高い。

モバイル性とプロフェッショナル用途における決定的差異

iPad Pro M4は、5.1mmという驚異的な薄さと1.3ポンド未満の軽量設計により、携帯性の面で他のデバイスを凌駕している。この物理的な利点は、外出先での読書やスケッチ、プレゼン資料の閲覧といった用途で顕著に活きる。また、Apple Pencil Proとの組み合わせにより、圧力感知や傾き検知といった精緻な入力が可能となり、デザイナーやアーティストにとっての創作環境として非常に優れている。

しかしながら、携帯性と引き換えに失われるのが汎用性である。iPadOS 18が導入するStage Managerや外部ディスプレイ対応といった機能があっても、デスクトップOSとしての完成度には依然として課題が残る。

ウィンドウの配置自由度、ファイル管理の柔軟性、ソフトウェアのバリエーションなど、macOSが持つ成熟度はiPadOSを大きく上回っている。特にFinal Cut ProやXcodeなど、プロフェッショナル用途で多用されるアプリケーション群においてその差は明白である。

MacBook Airは、重量や厚みで若干の劣位に立つものの、トラックパッドやフルサイズキーボード、豊富な接続ポートを備え、外部機器への依存を最小限に抑えて作業を完結できる環境を提供する。

つまり、現場での即応性と生産性の両立を求める場合には、MacBook Airの構成が合理的な選択となる。携帯性が求められる一方で、作業の深度や安定性が問われる場面では、モバイルデバイスとしてのiPadの限界が浮き彫りとなる。

Source:The Mac Observer