Samsungは次期ソフトウェア「One UI 7」にて、フローティング型ツールバー「Nowバー」の機能拡張を計画している。韓国の配車アプリ「KakaoT」やスポーツ情報アプリ「Naver Sports」などのサードパーティアプリとの連携が可能となり、対応アプリを通じて現在利用中のアプリに依存せずに操作を実行できる「クロスアプリアクション」も導入予定だ。

Galaxy S24シリーズに初搭載されたNowバーは、アプリ使用中でも素早く他の操作が行えるインターフェースとして注目を集めていた。今回のアップデートにより、複数アプリ間の連携が進むことで、日常的な操作の効率化がさらに期待される。

Nowバーが対応アプリを拡大 KakaoTとNaver Sportsが先行対応

One UI 7で拡張されるNowバーは、これまでGalaxy S24シリーズの一部機能に過ぎなかったが、今回のアップデートにより、より幅広いサードパーティアプリへの対応が進む。今回明らかになった対応アプリには、韓国の配車サービス「KakaoT」と、スポーツスコア閲覧アプリ「Naver Sports」が含まれており、これらを通じてフローティングバーから直接操作が可能となる。たとえば、KakaoTを用いたタクシー手配や、Naver Sportsでの試合情報の即時チェックといった使い方が想定されている。

Nowバーはもともと、画面上に浮かぶツールバーとして他のアプリの操作を簡略化する目的で導入された。これにより、アプリを切り替えることなく目的のアクションを実行できる利点があり、操作の流れを妨げずに作業が完結する点が評価されていた。今回の対応アプリ追加により、エンタメや実用系アプリの使い勝手がさらに向上する見通しである。Samsungは今後、さらに多くのアプリと提携し、活用シーンを拡大していくとしている。

クロスアプリアクションがもたらす操作の一元化とその可能性

One UI 7で導入される「クロスアプリアクション」は、アプリ間の垣根を越えて操作できる仕組みであり、日常的なアクションを効率化する重要な要素といえる。たとえば、地図アプリを開かずともKakaoT経由で移動手段を確保したり、スポーツ配信アプリを使わずにNaver Sportsで最新のスコアを即時取得するような活用が可能になる。これは、スマートフォンの操作体系を根本から変える可能性を持つ機能であり、UIの設計思想そのものにも影響を及ぼす。

アプリを開くという従来の概念を崩し、必要な操作だけをNowバーから選んで実行できるというアプローチは、タスクの断片化を防ぎ、スマートフォン体験の質を高める。特にマルチタスク時や外出先での操作が多いユーザーにとっては、煩雑な手順を簡略化できるメリットが大きい。ただし、対応アプリの充実度や動作の安定性が今後の評価を左右する要素であり、今後の展開に注視する必要がある。

One UIの進化がもたらす直感的な操作体験の深化

SamsungはOne UI 6.1でNowバーを初搭載して以降、操作性の最適化と情報アクセスの迅速化を図ってきた。今回のOne UI 7では、これまでの延長線上にある進化ではなく、スマートフォンの操作体験を再構築する方向性が明確になっている。特に、クロスアプリアクションの導入により、アプリ同士を行き来する煩雑さを軽減し、直感的な操作がよりスムーズに実現される構造となっている。

この一連の機能強化は、操作の「速さ」だけでなく「流れの途切れなさ」に重点が置かれている点が特徴だ。これにより、通知やマルチタスク中にでも別アプリの情報を瞬時に取得し、そのままアクションへ移行できる連続性が生まれる。一方で、ユーザーごとに操作のカスタマイズ度合いが異なるため、どの程度の柔軟性が提供されるのかが使い勝手を左右する要因になるだろう。SamsungのUI設計がさらに進化するかどうかは、今後のユーザーフィードバックにかかっている。

Source:Sammy Fans