Googleは次期Android 16で、Pixelスマートフォンに「画面オフ時の指紋認証解除」機能を導入する見通しである。これにより、Pixel 6以降のディスプレイ内蔵型指紋スキャナー搭載機種(折りたたみ機を除く)では、画面を点灯させずにロック解除が可能となる。
この機能は、従来Pixelにおける操作の手間とされていた「画面オン必須」の仕様を打ち破るもので、すでに他社機種では一般化していることから、Pixelにとっては遅れてきた重要な改善といえる。Android Authorityによると、当初はPixel 9シリーズ限定の予定だったが、対応機種は広く拡大されたという。
機能の正式な提供は、2025年第2四半期に見込まれるAndroid 16のリリースとともに開始される可能性が高く、日常的な操作性に直結するアップデートとして注目されている。
画面オフでもロック解除可能に Pixelシリーズに待望の機能が追加

Android 16では「画面オフ時の指紋認証解除」機能がPixel 6以降の対応機種に実装される予定で、すでにBeta 3の段階で機能が確認されている。設定画面からセキュリティ項目を順に辿ることで有効化が可能となっており、ユーザーは画面が消灯している状態のままでも指紋スキャナーに指を置くだけで認証とロック解除が行えるようになる。
この仕様は、Pixel 6以降に搭載されているディスプレイ内蔵型の光学式指紋スキャナーを活用するもので、従来必要だった「画面点灯」の操作を省略できるのが最大の利点である。Pixel Foldなど側面ボタン式の指紋センサー搭載機は対象外となるが、ディスプレイ内蔵型の普及が進む中で、こうした機能の対応範囲が広がったことは実用面で大きな前進といえる。
なお、Android Authorityによると当初はPixel 9シリーズのみに限定された実装だったが、現在はPixel 6以降の対象モデルに拡大されたと報じられている。正式リリースは2025年第2四半期と見込まれており、他社端末に長らく遅れをとっていたPixelシリーズが、ようやく基本機能で追いつく形となる。
Pixelにおける使い勝手の進化と遅れてきた常識化
指紋認証によるロック解除は日常のなかで最も頻繁に使われる機能のひとつであり、その操作性の差は小さく見えても体感の快適さに直結する。これまでPixelでは、指紋スキャナーの利用に画面点灯が前提条件となっていたため、片手操作時の煩わしさや、スリープ状態からの即時解除ができないといった不便が残っていた。
今回のAndroid 16による改善は、すでに複数の他社機で実装済みの仕様をPixelがようやく採用する形となる。新しい技術というより、スマートフォンにおける「基本の快適さ」を補う内容であり、Pixelユーザーにとっては歓迎すべき一歩といえる。一方で、これが2025年になって初めて導入されるという点には、Pixelの改善ペースの遅さも浮き彫りになる。
とはいえ、遅れて導入されたからこそ、他社製品でのノウハウや実装上の課題を踏まえたうえで安定性の高い提供が期待される。目立つ新機能ではないが、日々のストレスを減らす地味なアップデートこそが、端末全体の満足度に繋がる可能性は十分にある。
Source:ExtremeTech