Huaweiは、2021年のQingyun L420の後継機として「Qingyun L420x」を正式発表した。14.2インチのOLEDディスプレイは2880×1920解像度で、120HzリフレッシュレートやsRGB・P3・Adobe各色域に対応し、目に優しい1920HzのPWM調光とTÜV認証を取得している。

加えて、バッテリーは70Whと大容量で、14時間以上の動画再生に対応。65W急速充電では15分で25%の回復が可能とされる。OSはKylin Desktop OS V10とTongxin Desktop OS V20に対応し、独自開発のKirinチップ採用の可能性もある。

オールメタルボディにUSB-CやHDMI、有線LANポートまで備え、性能・設計の両面で中国市場における存在感を高める狙いがうかがえる。価格と発売時期は未発表。

進化したOLEDと筐体設計がもたらす没入感と快適性

Qingyun L420xに採用された14.2インチのOLEDディスプレイは、2880×1920の高解像度に加え、120Hzの滑らかなリフレッシュレート、さらにsRGB・P3・Adobeといった広色域に対応している点が特筆に値する。最大輝度は450ニトで、屋内外を問わず視認性が高く、TÜVラインランドのアイコンフォート認証取得により、長時間の使用でも目に優しい仕様となっている。

1920HzのPWM調光技術も重要な要素で、従来のLCDよりもちらつきが少なく、特に暗所や夜間の使用時に目への負担を抑えやすい。このようなディスプレイ性能は動画視聴や画像編集に限らず、日常的な作業の快適性にも直結する。

加えて、1.32kgの軽量さとオールメタルボディの剛性感、サンドブラスト仕上げの質感が携帯性と高級感を両立。14.5mmという薄さにも関わらず、HDMIやUSB-A、有線LANポートまで備えており、薄型ノートにありがちな拡張性の欠如を感じさせない。デザイン性と実用性がバランス良く成立している点に、このモデルの完成度の高さが表れている。

ソフトウェアとプロセッサ構成から読み取れる方向性

Qingyun L420xは、Kylin Desktop OS V10とTongxin Desktop OS V20という2種類のLinuxベースの中国製OSに対応しており、グローバルなWindows環境とは異なるアプローチを採用している。これは、一般的なPCユーザーにとってはなじみの薄いOSであるが、UIやアプリ互換性などの点で、国産技術による最適化が重視されたモデルといえる。

搭載プロセッサの詳細は明かされていないが、2021年モデルのL420に続く流れを踏まえると、Kirinチップの改良版が採用されている可能性がある。Kirinチップは、通信性能に加えてAI処理やバッテリー効率に定評があり、軽量ノートPCとの相性は悪くない。ストレージにはUFS規格を採用し、最大1TBまで選択可能で、8GBと16GBのLPDDR5メモリとの組み合わせにより、スムーズな処理性能が期待される構成だ。

一方で、アプリケーションの互換性や言語対応などの点では、中国国外での利用には一定のハードルが存在する可能性がある。ただ、ローカルソリューションに特化することで、セキュリティや最適化といった側面では独自の強みを発揮している印象も受ける。

大容量バッテリーと急速充電が生むモバイルの自由度

L420xに搭載された70Whバッテリーは、14時間以上の動画再生に対応するとされ、モバイル環境における使用時間の長さが大きな魅力となっている。一般的なノートPCのバッテリー容量が50〜60Wh程度である中で、この70Whという容量は長時間の外出や移動中の作業において強力な安心材料となる。

また、65Wの急速充電機能も搭載されており、わずか15分の充電でバッテリーの25%を回復できる仕様となっている。これは、短時間の充電タイミングしか確保できない場面でも一定の使用時間を確保できることを意味し、時間の制約を受けにくい柔軟な運用を可能にする。

この電源まわりの仕様は、従来の「ノートPC=常時電源接続」という印象から大きく距離を置き、モバイルワークや出張先での作業を重視するユーザーにとって、大きな利便性となる。ただし、高性能なディスプレイやプロセッサとのバランスによっては、実際の駆動時間に差が出る可能性も考慮する必要がある。

Source:Gizmochina