3月25日の取引終了時点で、Palantir Technologies(PLTR)の株価は前日比0.24%安の96.51ドルとなり、S&P500の0.16%上昇とは対照的な動きを見せた。過去1カ月の株価は6.69%上昇し、セクター平均を上回っていたが、高水準のForward P/E(174.01)とPEGレシオ(5.54)がバリュエーションの割高感を示している。

一方、次回決算ではEPSが前年同期比62.5%増、売上高は36.29%増と予想されており、成長期待は依然として高い。Zacksコンセンサスでは年間利益0.56ドル、売上高37.9億ドルを見込むが、今月のEPS予想は据え置きのままで、Zacksレーティングは「ホールド」(#3)にとどまっている。

アナリスト予想の修正動向は短期的な株価変動に密接に関連するため、業績発表前後の市場の反応が注目される。

パランティアの決算見通しは大幅成長を示唆 EPSと売上予想に市場の期待高まる

Zacksの予測によれば、パランティア・テクノロジーズの今四半期EPSは前年同期比62.5%増の0.13ドル、売上高は同36.29%増の8億6,452万ドルと見込まれている。年間ではEPSが0.56ドル、売上高が37.9億ドルに達するとの推計で、前年からそれぞれ36.59%、32.18%の成長となる。直近1カ月の株価は6.69%上昇しており、これはS&P500の3.59%下落、コンピューター・テクノロジーセクターの5.94%下落を大きく上回る。

これらの数値が示しているのは、同社が市場全体の逆風の中でも堅調に業績を拡大している事実である。特に公共部門との契約が堅調に推移していることや、AI関連事業の拡大が収益面に寄与している可能性がある点は無視できない。ただし、現在のアナリスト予想は直近30日間で修正がなく、Zacksレーティングも「ホールド」(#3)に据え置かれていることから、楽観一辺倒ではない姿勢も感じられる。業績見通しが株価の先行指標となるかどうかは、次回決算の実績とガイダンスの内容に大きく依存する構図だ。

バリュエーションの割高感が株価の重石に P/EとPEGの乖離が示す投資判断の難しさ

パランティアは現在、将来利益を織り込んだ前提で取引されているが、フォワードP/Eは174.01と業界平均の28.29を大きく上回っている。また、PEGレシオは5.54に達しており、成長期待を加味してもなお割高と評価される水準にある。比較として、同業界の平均PEGは2.07であり、収益成長に対して株価が過剰に先行している可能性がある。

こうした数値は、投資家の間で高い成長期待が織り込まれていることを示すと同時に、業績に対する市場の審査が極めて厳しい段階にあることを物語る。仮に次回決算でガイダンスが市場予想を下回るような内容であれば、評価の見直しを促す材料となりかねない。Zacksランクは「ホールド」にとどまり、アナリストによる予想の修正も止まっている点は、株価の上値余地に対する慎重な見方が広がっていることを示している。今後は、成長期待に見合う実績と収益性の裏付けが求められる局面に差し掛かっている。

Source:yahoo finance